ゾンビでもいい。萌え萌えな妹でいて欲しい
公開日:2011/12/1
突然の事故で妹の姫ノ花(ルビ:ひのか)を亡くし、悲しみにくれる高校生・大鳥風貴(ルビ:おおとり ふうき)。葬儀の席上で彼の前に一人の女が現れ、怪しげな注射器を渡してこう告げる。「この薬を注入すれば、姫ノ花ちゃんは蘇るわ」
風貴はその言葉に戸惑いつつも、結局妹の遺体に薬を注入。すると完全に死んでいたはずの姫ノ花は、大勢の見ている前で見事ゾンビとして復活するのだった…。というのが、このお話の発端。B級映画ファンなら思わず顔がゆるんでしまいそうな展開だ。
ちなみにゾンビというと知能をなくし、腐りかけた体でノタノタ迫ってくる姿が思い浮かぶが、姫ノ花の場合は知能も記憶もそのまま。姿形は以前通りに美少女のままだ。そりゃそうだよね。でなきゃ「ラノベとしてどうよ」って話になるし。
とはいえ、腐ってなくても彼女はゾンビ。生活のすべてが生前通りというわけにはいかない。むやみに生肉を食べたがったり、おかしな匂いで周囲の人間を引き寄せて捕食しそうになったりと、見事なゾンビっぷりを発揮して兄の風貴を振り回す。
でもまあ、同じゾンビで苦労するなら、腐った死体から逃げ回る苦労よりも、かわいい妹をどうフォローするか? という苦労の方が、どう考えてもマシなわけで。そういう意味では風貴は幸せ者といえなくもない。つーか、むしろうらやましい。
そんな彼の幸せな苦労はどういう方向に転がっていくのか? そのあたりは、本書を読んでみてのお楽しみ。紙の本では11月30日に続編が発売されるようなので、そちらと合わせて読んでみては?
この子が問題のゾンビな妹、姫ノ花
こちらは主人公の風貴。姫ノ花は危険なほどに彼のことを慕っている
衝撃のゾンビ化シーン。危ないおクスリによって姫ノ花復活
姫ノ花の特殊能力。姫ノ花が発する匂いをかいだ人間は、彼女に捕食されたくなってしまう
ゾンビ化したせいで異常に食欲旺盛になる姫ノ花。「例のアレ」ってナニ!?(答え:生肉)