孤高の少女がパレーコートに羽ばたく…心で読むスポーツ漫画

公開日:2011/12/5

少女ファイト (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:日本橋ヨヲコ 価格:540円

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バレーボールの名門校・白雲山学園に在籍している大石練。万年補欠の練だったが、実はかつては『狂犬』と呼ばれたほどの荒々しくも優れた実力を持っていた。にも関わらず、その自分の実力を隠していたのにはある理由があった…。

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バレーボールの漫画と言えば、『アタックNO.1』!…と言う意識がなきにしもあらず…だが、時代が変われば人も変わり、スポーツ漫画も変わっていくのだなぁ、ということをまずは実感した。キャラクターたちが「イマドキ」で、「今はこういうこともありえるのか…」と感じさせられる場面もある。

しかし、何はともあれ、主役はバレー!
集団スポーツになると、何かしら、人間関係のズレというものはあるだろう。「普通の人たち」ばかりの集団などなく、個性がぶつかりあってそれぞれのチームが育っていく。漫画だから、少しばかりその個性が誇張されているだけであって、実際のチームも、みな個人の事情を抱え、それを乗り越え、成長していっているんだろう、ということがしみじみと感じられた。…ちょうど、W杯バレー女子の試合をたびたび観戦していた時期だったからかもしれないけれど。

また、この作品で感じたのは、少年少女が育っていくということはなんとも大変で、それでいて素晴らしいということだ。繊細な心は、大人たちのささやかな言葉で傷つき、何気ない友達の行動で後ろ向きになってしまう。そのまま行けば大きな傷になってしまいそうなところがどのように周りの人たちによって修正されていくのか…。その過程がまた読者を作品の中に引きずりこんでいく。

バレーを知らなくても十分楽しめる作品だが、バレーを知っていれば、やはりより面白い! そして、この作品を読んでから実際のバレーの試合を観ると自然と手に汗握ってしまうだろう。

この寒い時期、心の中から熱くなりたい…そんな人にはぜひ読んでいただきたい一作だ。

巻頭がカラーページ。表紙以外でカラーを見たのが初めてだったのでちょっと新鮮…

試合のシーンも必見! スピード感抜群だ

能ある鷹は爪を隠す…? 練がチームメイトの前では実力を発揮しない理由とは (C)日本橋ヨヲコ/講談社