人生、この旅するもの。C.W.ニコルの旅

小説・エッセイ

2011/12/11

C.W.ニコルの旅行記

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:eBookJapan
著者名:C.W.ニコル 価格:432円

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ウェールズ生まれの作家、エッセイスト、アウトドアのナチュラリストであり、自称「ウェールズ系日本人」でありハンターであるC.W.ニコルの旅行記。いや、本書は冒険記だと言い表すべきである。

自然運動や環境保護など精力的に活動しているC.W.ニコル。そのC.W.ニコルが旅したインド・ネパール、ミクロネシアのポナペ、オーストラリア、ザイール、アイルランド、北極・南極旅行の体験が記されている。

犬が唯一の家畜であるポナペ。祭りや宴会で犬のバーベキューを御馳走として振舞われた体験。フルーツ・コウモリ狩りをしたエピソード。ザイールで、放浪の旅を続けるピグミー族との遭遇。

北極でのエピソードがとても印象的である。シャチの黒い大きな背びれが水面を切る海。シャチが潜ったかと思うと、著者の目前でタテゴトアザラシが空中に音を立てて、弾き飛ばされた。シャチの尾の一撃でやられたのである。そのアザラシは落ちてきて、水を打ったところを即座にシャチに咥えこまれてしまった。このような景色に遭遇できる旅である。魅力的でないはずがない。

著者は語る。著者が旅した途中、もし何らかの理由で、わが家に二度と戻れないような事態が起こったとしたら、周囲は自分を嘆き悲しむだろう。だが自分はあとに残してきた友人や動物たちのことをあまり嘆くことはないと。彼はそのような感情はあまり旅の重荷にはしたくないという。だが著者が文中で示した重荷がひとつだけあった。イヌイットの老人から教えられた言葉。男が生きるうえで、背負わなければならない最大の重荷は狩猟で自分が殺した動物たちの魂の重みなのだという。

まさしく古代のハンターから現代のハンターへ伝えられた言葉である。

目次。旅路の証である

作中のコメント風タイトル

C.W.ニコルはまさしくハンターである

ハンターとして旅に対する言葉が記されている (C)C.W.Nicol 2001/KODANSHA