知っているつもりの日本語を洗い直してはいかがだろう
更新日:2011/12/16
数ことば連想読本 語彙表現のたのしみ
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : インタープレイ |
ジャンル:趣味・実用・カルチャー | 購入元:eBookJapan |
著者名:槇晧志 | 価格:648円 |
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詩人であり、児童文学者の槙晧志の書。
本書は詩誌「詩芸術」に連載した「あなたのために詩が書けたら」のうち、「数」をめぐる章を抜き出したものである。
言葉は元来繊細である。
用いるうちに、つい礼儀を失い、思い込み、汚されて、あらぬ錯誤を生み出してしまう。
アラワスという言葉を例に挙げてみる。
表になっているものを上にアラワスのが「表」、隠れているものを形にアラワスのが「見」「現」。かがやかにアラワスのが「顕」。アキラカにするのが「著」。白日の下にさらしアラワスのが「暴」。夜露が濡らし、むきだしにアラワスのが「露」。文様などをアキラカにするのが「彰」などが挙げられる。
またアウという言葉。人と人が、物と物とがピタリとアウのが「合」。偶然にふと出アウのが「遇」、時と所を定めて集いアウのが「会」。めぐりアウのが「逢」。災害などに行きアウのが「遭」。
ひとつの言葉で様々な種、様々な意味があるのだ。その意味を深く紹介していこうというのが本書の主旨。
この本では「数」について記されている。
「一」という言葉。「一」には一から十まで、はじめから終わりまで、ピンからキリまでという意味が含まれる。
「二」には副、次、両、再、並、対、双という意味を含む。二枚目などというシャレた言葉も持っている。
そして「三」「四」「五」「六」「七」「八」「九」「十」「百」「千」「億」「零」と続く。
著者は言う。文字による表現は声をあげて、詳しく説明しても伝わらないのが現状。音楽、演劇などに比べ、詩文だけが一からはじめる基礎学習が明確化されていない。故に毎日一語でいいから、徹底的にマスターすべきだと考える。そうすれば一年後には三百数十という膨大な数の言葉を完全に身につけることができるという。
読者も本書で知っているつもりの日本語を再度洗い直してみてはいかがだろうか。
序。言葉を洗うことの提言
「一」から何処まで。各タイトルが面白い
筆刀両断して「二」。ちなみに一から筆へ
二人が三脚。おわかりの通り、数字を続けている
三寒過ごして四温へ。このタイトルが数の言葉への愛情 (C)槇晧志/インタープレイ