ドーマンセーマン! 負の感情がこみ上げてくる、陰と陽2人の陰陽師の葛藤

更新日:2011/12/19

新 安倍晴明 道満暗黒記

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : ぶんか社
ジャンル:コミック 購入元:電子貸本Renta!
著者名:真崎春望 価格:105円

※最新の価格はストアでご確認ください。

皆様ごきげんよう。安倍晴明と聞くと真っ先に野村萬斎さんが思い浮かぶ、矢澤りえかです。安倍晴明は、萬斎さん主演の映画「陰陽師」で一躍有名になった気がします。艶っぽくて素敵でしたなぁ!

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人間と妖狐の子として、謎が多く神秘的な魅力たっぷりの安倍晴明。皆様は、彼の他にもう1人、有名な陰陽師がいるのをご存知でしょうか? ライバルの蘆屋道満です。道満は、この作品では人間と狗神の子として描かれております。

晴明と道満、2人は同じ半妖(半分人間、半分物の怪)でありながら、全く異なった道を歩んでいくのです。皮肉にも陰陽師という文字通り、陰と陽、互いに相容れぬ存在となって。

道満は狗神の中で育ち、人間と出会ったことで、大事な人を殺されたり、能力を利用されたり、という不幸という言葉を纏って生きているかのよう。積もりに積もった憎悪や嫉妬等の感情が道満の中を蠢いています。「おれは狗神じゃない、物の怪ではない、人間でもない。おれは…どちらでも…ない。」という台詞にも表れていますが、自分の生まれ持った宿命に悩み、苦しんでいます。だけども人間の世界で、必死に自分の居場所を求めていく姿が何とも哀れで、切ないのです。一方で、宮中の陰陽師として生きている晴明もまた、心の中では道満と同じような葛藤があり、己を犠牲にして陰陽師として生きていることにどこか虚無感のようなものを感じています。

晴明と道満って、まるで陰陽を表す太極図みたい。太極図って、決して交わらないけれども、どこかでお互いを追いかけ、求めあっているように見えませんか?

半妖という同じ宿命を持って生まれたこの2人がもし分かち合えたら、どんなに心が楽になるのでしょうか。2人にしか解り合えない奥深い“何か”があるように思えてなりませんでした。

道満の出生のワンシーン、秘話なんだか悲話なんだか…

すごくピュアだから鮮烈に心に闇を広げたのです

ストレートに苦悩が伝わってきたから方向が違うだけで道満は真っ直ぐなやつだと思う

晴明に対して、憎悪や嫉妬もあるけれど憧れもあるのではなかろうか? 反対に晴明も道満に対してそんな想いが?