『聖書』にそんな読み方があったのか!
更新日:2011/12/28
世界三大宗教の一つ、キリスト教の正典として有名な『聖書』には、“新しく神様と契約”した『新約聖書』と、“新約に比べて旧バージョンの契約”となる『旧約聖書』があります。旧約聖書は、じつはユダヤ教やイスラム教の正典でもあるのですが、とりあえずひとくくりにして『聖書』(キリスト教徒の間だけで通用する呼び方ですが)。
これ、世界で最もたくさん発行されている本として、ギネス・ワールド・レコーズに登録されているのですね。すごい影響力。
本書のなかで書かれているとおり、多くの人にとって、聖書とは「隣人を愛せよ」の本でしょう。しかし、そんな聖書を、本書はバチ当たり(?)にも、ちょっと意地悪に(ある意味、真正直に)読み解いています。著者いわく「だって、聖書にそう書いてあるんですもん」。
古来、数多く生まれてきた宗教のなかの、いち民族宗教でしかなかったキリスト教が、どうして世界宗教としてここまで勢力を拡大できたか。聖書からあふれ出る、正とも負とも受け取れる圧倒的な熱量から、その理由が垣間見られるかもしれません。
現代の身近なトピックと聖書の本文をつなげて解説しているのもおもしろく、聖書に親しみのない人ほど、新しい世界に引き込まれることうけあいです。
ちなみに教育の世界では、「私学は公立に比べ、建学の精神がしっかりとあるから、学校の特色を出しやすい」などといわれます。私学には宗教校があります。宗教は学校生活全般に影響を与え、自然と生徒の道徳心を磨く。人間性を高めていく。学校の規律が乱れにくい。一方で公立は、公教育ですから、宗教を持ち込むことはできません。ときに、偏差値だけで学校の個性付けをされることもある。このような話を関係者から聞くことがあります。
公立にも道徳の授業はありますが、明文化され、「これをやったらダメ」「ここまではやってもいい」など白黒がはっきりしている宗教は、子どもにとってわかりやすい、という解釈もあります。
宗教に馴染みのない人にとって、本書は、なぜ人が宗教に傾倒していくのか、理解の一助になると思います。
裏表紙に本書の項目。興味がそそられる章はある?
まずは『聖書』の説明から。旧約聖書の次に新約聖書。親しみがない人や初心者にもやさしい構成
これほどにも影響力がある『聖書』
本編の序盤からインパクト十分。まずは聖書の本文を引用し、それに対するビックリ・ドッキリの解説が続く
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