白血病という病気を抱えた父子の、深い愛情と絆の物語ー

小説・エッセイ

更新日:2011/12/27

グッドライフ

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:チョ・チャンイン 価格:810円

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人間らしさ(サラムダウム)、美しさ(アルムダウム)、仲むつまじさ(チョンダウム)…。
『人間らしく生きて、そして美しく仲むつまじく生きてほしい――』
そんな願いをこめて息子にダウムと名づけた父親と、その愛息子・ダウムの、愛と絆の物語。
父子の深くて強い絆に感動の涙が止まらない、ルナルーチェのちまみとヒロでお送りいたします。

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【ヒロ】今回ご紹介するのはこちら、『グッドライフ』です。

【ちまみ】以前同じタイトルで、日本でドラマ化されたよね?

【ヒロ】はい。本書はそのドラマの原作なんですが、ドラマ版では舞台を日本に移し、登場人物も日本人に変わっています。

【ちまみ】なるほど。原作は韓国が舞台で、韓国人の父子の絆が描かれているのか!

【ヒロ】白血病の息子・ダウムを、2年間献身的に看病し続けているパパ。パパは収入が少なく、ダウムの治療費をたびたび滞納してしまいます。妻には捨てられ、一見頼りなさそうに見えるパパですが、ダウムを思う気持ちがとにかくあたたかくて大きくて。どんなときでもダウムのことを一番に考えて、寄り添って、支え続ける献身的な姿に、心うたれます…ううっ…。

【ちまみ】一方のダウムは、9歳とは思えないほど物わかりのいい子なんだよね。激しい痛みを伴う治療にも、泣き言ひとつ言わずに我慢し続けてるし。でも、心の中では痛い、苦しい、つらい…と、様々な感情を抱えていて。本書では、ダウム視点の文章とパパ視点の文章が交互に綴られていて、どちらの思いも痛いくらいに伝わってくる…うっ…。

【ヒロ】涙涙ですね…。

【ちまみ】2年の間に再発を繰り返すダウムは、抗がん剤治療も効果が上がらず、骨髄移植も不可能との結果が出るんだよね。何の希望も可能性もない状況でありながら、それでも過酷な抗がん剤治療を続けるしかないと告げる医師。医師のその言葉にパパがとった行動は…!?

【ヒロ】パパとダウムを捨て、別の男とフランスに飛び立ったママや、パパに想いを寄せる後輩記者や医師など、様々な人々の存在。そして、パパとダウムを待ち構える、運命の大きな大きないたずら――。

【ちまみ】ドラマ版を見た方も、そうでない方も、ダウムを思うパパの大きな愛に、ぜひふれていただきたいと思います。

「僕は白血病にかかっています。」淡々と告げる真実

闘病中の息子の口からはじめて出た言葉

父にとって、息子は生きていくための求心力だった