洋ランの栽培は奥深い。あなたもその魅力にはまること間違いなし

公開日:2011/12/27

NHK趣味の園芸 新版・園芸相談2 洋ラン

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : NHK出版
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:江尻宗一 価格:810円

※最新の価格はストアでご確認ください。

日本洋蘭農業協同組合(JOGA)副組合長、世界で最古の、最も権威のある園芸団体英国王立園芸協会(RHS)蘭委員会委員、須和田農園を経営する園芸研究家江尻宗一の書。NHKの番組「趣味の園芸」の園芸相談を元に構成されている。その2巻目。洋ラン版である。

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まず、洋ランがどんな植物なのか著者によって解説されている。洋ランはその形状により、大きく「複茎性」と「単茎性」の2つのタイプに分けられるそうである。また、樹木や岩の上に根をしっかりと張り、生きていくタイプの「着生ラン」と地面や腐葉土が堆積したところに生える「地生ラン」に分けられる。そして洋ラン栽培の条件として、洋ランを栽培する時、冬は室内、春から秋までは 戸外で栽培するとよく育つそうである。

水についての詳しい説明も記載。鉢に与える水のほかに、葉水や霧吹きなどとして与える水がある。これらの水は生育させるための水分とは役割が異なるそうである。他にも肥料について、植え込み材料の種類、害虫についてなどが語られる。これから洋ランを栽培したい人には絶対参考になるはずである。

そして洋ランが個別に紹介される。
ラン科シンビジウム属。ラン科ファレノブシス属及びその属間交配種であるドリティノプシス属のコチョウラン。ラン科デンドロビウム属。ラン科カトレア属とその近縁属からなる属間交配種群のミニカトレア。ラン科バフィオペディウム属。ラン科フラグミペディウム属。ラン科オンシジウム属。ラン科セロジネ属。ラン科リスカテ属及びアングロア属との属間交配種。ラン科エビデンドラム属。ラン科ジコベタラム属。ラン科オドントグロッサム属とその近縁属との属間交配種群。ラン科マスデバリア属。ラン科マキシラリア属。ラン科アングレカム属。ラン科バンダ属。ラン科バルボフィルム属。ラン科ネオフィネティア属のかかわる属間交配種のフラウン系交配種。グラマトフィラムなど、その他の洋ランなどが紹介されている。ここではタイプ別の栽培法などがこと細かくQ&A形式で説明されている。園芸相談でも挙げられた質問である。詳しい説明を受けられることがありがたい。

洋ランはもともと野生の植物なのである。今でも自生地では高い樹の幹や枝に着生したタイプは人の手など一切必要とせず、毎年時期が来れば自然に開花する。だが、栽培に関しては自然環境を揃えただけでは難しい。肥料とか植え込み材料といったことばかり気を使っても、思うようにはできないと聞く。

では一番何が必要なのか。それはやはり正しい情報と根気、いや愛情であろう。まず正しい情報は本書で。

美しい写真に感嘆。シンビジウムの場合

コチョウランの場合

洋ランについての詳しい説明

水やりひとつにも、様々な方法、色んな目的がある

肥料の与え方。効果的な方法を解説

様々な植え込み材料を解説 (C)江尻宗一/NHK出版