ランキング1位も納得の極上パニックサスペンス!
更新日:2013/4/11
電子文庫パブリの総合ベストセラーランキングにて、長期にわたって1位を独走している作品が、この「ファントム・ピークス」。北林一光のデビュー作であり、初作ながら日本ホラー小説大賞と松本清張賞の最終選考に残ったことで知られている。
日本アルプスの麓に位置するある村で、行方不明だった女性・三井杳子の頭部と思われる白骨が発見された。警察は「事故死」と断定したが、夫である三井周平はその見解に疑問を持つ。そして数週間後、近隣の渓流付近で女子大生が突然行方不明となり、ピクニック中の親子の母もまた行方不明に。「この山には何かが居る。」どうしても妻の死の真相を知りたい周平は、周囲の仲間たちと捜索に動き出す。
…個人的に、非常に好きなタイプで、言うなれば“ネイチャー系パニックサスペンス”。
ネタバレが怖いので多くは語れないが、キーワードは”自然”、そして”猛獣”といったところ。淡々とした文章ながら、山や森、渓流といった自然部分の描写が実にリアルで、そこで矢継ぎ早に起きる事件から目が離せなくなる。ラストは若干あっさりしているが、それでも人間と動物、人間と自然の関係について考えさせられる。読み始めてしまうと絶対に止まらない、ランキング1位も大納得の作品である。
これは絶対に他の作品も! と思って探してみたら、著書は他に文庫が1冊のみ。作者は2006年に既に他界されていた、という事実をここに来て知ってしまった。
惜しい、としか言いようがない。できれば同じタイプのサスペンスをもっと読んでみたかったのだが、この作品だけでも充分なインパクト。読んでおいて損なし!
ドットブック形式を採用、iPad縦表示での文字は群を抜いた美麗さ
メニューは画面を指で上下するだけで出現、メニューバーは上下どちらでも表示可能
該当の単語をキビキビしたスピードで探してくれるテキスト検索機能、地名等を検索しておくと便利
iPadで文字を横組みにして表示、こちらも滑らかでキレイな画面
iPadのズーム機能で文字を大きく表示、かなりの拡大でもジャギーは見えない