世間にあふれる「透明人間」を知るための、あるあるマーケティングの本

ビジネス・社会・経済

2012/1/10

透明人間の買いもの

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 扶桑社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:電子貸本Renta!
著者名:指南役 価格:420円

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フツウの人って何だろうと思うことがあるんですよね。
育った環境や家族構成、学歴、趣味、特技、言葉遣いに交友関係、身体的特徴、仕事、収入…、誰一人として同じであるはずはないんだけど、フツウの人というのが存在します。

「だって、フツウはそうじゃん」
「みなさん、こちらのお色がお好みのようです」
「最近、たくさんの支持を受けるようになってきている▲▲ですが~」

何を根拠に? というと、「自分の経験のなかで培われてきた思い込みという名の常識」だったり、「1、2、3、みなさん(つまり4以上は「みなさん・たくさん」)」だったり、「マスコミで取り上げられたこと」だったりするわけです。

根拠に乏しい「フツウ」。

合コンの席での盛り上げ話や、井戸端会議ならこれでOKかもしれませんが、ビジネスの商談や商品作り、サービス作りの場で、この「フツウ」を持ち出してしまうのはいただけませんよね。大抵の場合、ハズしてしまいます。とはいえ、この「大抵の場合」という言い方も「フツウ」に近いものかもかもしれませんが…。

本書ではそのフツウの人を、「透明人間」と読んでいます。
“透明人間とは、平凡で、個性がなくて、臆病で--要は極めて特徴のない、マスコミに取り上げられにくい人たちのこと。そして、この世の中は、そんな向こう側が透けて見えそうな、極めて希薄な存在感の透明人間たちで溢れている。物言わぬ大衆、サイレントマジョリティ。”

透明人間は、
「関ジャニ∞より本当は木村拓哉が好き」で、
「もう何年もシングルCDを買っていない」し、
「レストランで注文するメニューは、『私も』」だったり、
「妻夫木聡と蒼井優に自分を重ねる」 のだそうです。

本書はマーケティングの本ではありますが、いわゆるマーケットデータが示されているわけでありません。けれど、「何となくそうだよね」「そういう人、いるいる!」という透明人間の体温が感じられるんですよね。それは、著者自身がモノづくりを通して見つめてきた世の中を、実感を込めて分析したからこそだと思います。

個人的に共感したのは、「世の中を動かしているのはこの透明人間」という指摘。「ノイジー(ラウド)マイノリティ」が目立った2011年だったと思いますが、改めて「サイレントマジョリティ」の存在を考え直すきっかけとして本書を読んでみてはいかがでしょうか?

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