ああっ美しい女神との純愛に憧れる…

公開日:2012/1/21

ああっ女神さまっ (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:藤島康介 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

主人公は、機械を触ることとオートバイが趣味の、いわゆるフツーな男子大学生。やや頼りないけれど、優しくてイイヒト。女っ気はない。そんな主人公の前に、いきなり女神が現れ、「あなたの願い事をかなえます。ただし一つだけに限りますけど」。

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悩んだあげく、口にしたのは「君のような女神にずっとそばにいてほしい」。ということで、同棲生活がスタートするのでした。ありがちなリア充満開の大学生活物語ではなく、主人公も女神もお互いに足りないところがあり、またピュアゆえに、読者はもどかしい思いをすることでしょう。甘酸っぱい思いを堪能してください。

本作には、神や女神が悪魔が何体も出てきますが、名前や設定のベースに北欧神話を取り入れているのが特長です。

じつは、今年の春から中学で全面実施になる新しい学習指導要領では、社会科の世界史で、「宗教のおこり」という内容が増強されました。要領によれば、この項目のねらいは、

「世界の古代文明や宗教のおこり、日本列島における農耕の広まりと生活の変化や当時の人々の信仰、大和朝廷による統一と東アジアとのかかわりなどを通して、世界の各地で文明が築かれ、東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを理解させる。」(第2章「各教科」>第2節「社会」>第2「各分野の目標及び内容」>2「内容」>(2)古代までの日本>ア…より)

です。仏教・キリスト教・イスラム教のおこった地域と世界の文明地域が重なっていること、などを学びます。

今、学校では、子どもたちが新しい日本を切り開けるようにと、ワールドワイドに活躍できる人材に育てようとしています。2011年に小学校英語が必修化されたのも、この考えを受けてのこと。ですが、いくら英語がうまく話せるようになっても、これまでのように、海外から「無宗教者が多い日本は宗教オンチな国だ」と思われていたのでは、国際交流がままなりません。

ご存知のとおり、海外には、宗教を生活ひいては人生の指針として大切にしている国が少なくないからです。思想や行動様式も、信仰している宗教に影響されるとあっては、早期に宗教オンチな国からの脱却が望まれます。

本書のように、大人子ども問わず親しみやすい作品で、宗教の関心をひらいてみてもよいのではないでしょうか。

冴えない男子学生の前に鏡から現れた、女神ベルダンディー

「あなたの願いをなんでも叶えましょう」

もてない男子のサガ。「君がそばにいてほしい」

キャンパスで美人の彼女を連れて脚光を浴びる。憧れのリア充生活 (C)藤島康介/講談社