「ボディ、マインド、スピリッツ」を意識して病気を治す!

更新日:2012/1/23

心の掃除で病気は治る

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 文芸社
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:帯津良一 価格:648円

※最新の価格はストアでご確認ください。

もともとは西洋医学の出身で食道がんを専門にしていた帯津先生。西洋医学の目覚しい発展を体験しているにもかかわらず、ガンの治療成績が伸び悩んでいるのを不思議に思ったことから、先生の東洋と西洋を混合した総合的な「いのち」の生かし方、治し方の模索が始まりました。

advertisement

「帯津三敬病院」といえば、気功や東洋医学を取り入れながら、『ボディ、マインド、スピリット』の三位一体で体をとらえてゆくホリスティック医学の日本での老舗的存在。この本では、「さまざまな症例が『心の掃除』で劇的に変化した!」というような煽動的な要素はまるきりうかがえません。「こんなに変化があった患者さん例」も最低限。帯津先生がとつとつと、自らの病院が実践している“医療の要”を説明してゆく形です。

ともすると、「心の掃除」=「スピリチュアル」=「『あっち』に行ってしまった洗脳本」が多い昨今ですが、さすが医師。地に足がしっかりとついた状態での説明には説得力大。先生は「心はどこにあるのか?」という素朴な疑問からスタートし、心は頭なの? と問い、では、頭の中はどうなっているのか? 意識と潜在意識とは? と説いてゆきます。「あなたの意識が心をつくっていて、その心の状態が体の健康に密接につながっていることをぜひ知っておいてください」と、簡単に記されていますが、これも帯津医療の基本。「心の掃除」「深い呼吸」「気功」「延命十句観音経」この4つが柱となって、自然治癒力を高めようというのが本書の要点です。

終始スローペースで派手な宣伝も、劇的な演出もない本文を地道に読み進めてゆくと、すっかり三敬病院に入って実践しているような気持ちに。語り口が優しく、読みやすさも抜群。幸い、病気が気になってこの本を購入した、というわけではないので、実践には不向きか? とも思いましたが、「未病」(病が発生する前に治す)というコンセプトをしっかりと意識下に埋め込んでくれます。

そう、心の「ゴミ」はこまめに捨てて、病気につながらないようにするのが日常生活でも大事なこと。私たち、東洋人が持っている死生観についても改めて意識させられる機会になりました。病気でなくとも実用性は非常に高い1冊です。

自分の頭の中がこうなってるって、わかっているようで、わかってない気がします

先生いわく、心の循環は「哀しみ→希望→ときめき→明るく前向き→哀しみ」という順序なのだそう。哀しみが出発点とは

「共通のいのちを養っている」という感覚、新鮮です

帯津先生の大先輩は、患者さんまでもが自分の分身に思えるほど「いのちの実践」を深めた方 (C)帯津良一/文芸社