痛々しい勘違いも日常の幸せを感じるためのスパイス

小説・エッセイ

公開日:2012/1/29

恋愛小説を私に/Friends

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 祥伝社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:倉本由布 価格:108円

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23歳にもなると、同級生達からどんどん「結婚しました」とか「子どもが生まれました」なんてお知らせが届いたりする。“おめでとう”って思うと同時に“凄いなぁ”っていうのが正直な感想。いやいや、自分のこととして考えてみるとさ、結婚とか出産とかって正直全然想像のつかないところにいて自分とは当分無関係だなぁと思っちゃうわけです。

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今回私が読んだのは、そんな23歳の私より3つも若くして結婚し、27歳にして小学2年生の娘がいる主婦のお話。
この主婦がなんていうかちょっと夢見がち。そんなドリーマーな感じの彼女に少々の苛立ちを覚えつつも読みすすめていったわけです。それは勘違いっぽいけど大丈夫なのー? 少し痛々しいよー、っていう感じでね。感情移入して一喜一憂する感じっていうよりは、「おばかだなぁー」って傍観する感じ。

だから最初は、一人で久々の恋に浮き足立って、全ては自意識過剰だったなんて悲劇から何を感じさせたいのだろうって悩みながら怪訝な顔で読みすすめてたんですよね。

でも、すべては最後の部分に集約されていました。
この一見茶番にしか見えない出来事が起きたからこそ気づく日常の幸せ。当たり前すぎていつも忘れがちになってしまうもの。ここにもってこられると思っていなくて、ふいをつかれた私は思わず読み終わってふぅっとため息をつきましたよ(笑)

当たり前の日常がつまらなくて刺激が欲しいと思っているあなた、その前にちょっと読んでみてくださいな。

こんな人物が主人公です

思わず私も同じセリフを口走りそうになりました

悲劇ですね