甘くて美味しいのに砂糖なし! 注目のヘルシーフード「ブリスボール」って?

健康・美容

公開日:2017/7/9

『ブリスボール グルテンフリー 砂糖なし 添加物なしのヘルシーフードをはじめよう』(坪井玲奈/KADOKAWA)

 ダイエットも美容・健康もまずはバランスの取れた食生活を送ることから。しかし口で言うのは容易くても、実際にそれを実行するのはなかなか難しい。甘いものがやめられない、気がついたら菓子パンやファストフードなどのジャンクフードばかり食べている…。思い当たるフシがある人も少なくないのではないだろうか。

 もしあなたがスイーツやジャンクフードの誘惑と必死に戦って負けそうになっているのなら、『ブリスボール グルテンフリー 砂糖なし 添加物なしのヘルシーフードをはじめよう』(坪井玲奈/KADOKAWA)が役に立つかもしれない。

 ブリスボールはオーストラリア生まれのヘルシースイーツ。ナッツとドライフルーツなど自然の素材だけで作った体に優しいおやつだ。見た目は一口サイズのコロンとしたボール状で、なんとなくトリュフチョコレートに似ている。

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 トリュフチョコレートには白砂糖がたっぷり入っているけれど、こちらのブリスボールはちょっと違う。砂糖も入っていないし、手作りだから添加物もなし。小麦粉を使わないのでグルテンフリー。栄養価も高く、甘くておいしいのに罪悪感なく食べられる。美容や健康に気を遣う人にとって嬉しいスイーツなのだ。海外ではすでに注目度も高く、発祥の地であるオーストラリアではスーパーで買えるほどメジャーな存在になっている。

 そんなブリスボールを扱った日本初のレシピ本が本書である。著者はヨガ教室の運営に携わっていた頃、偶然ブリスボールに出会い、その虜になった。ついには勤めていた会社を辞めて独立、専門店まで開くまでハマってしまったのだ。

 そこまで著者を夢中にさせたブリスボールとはいったいどんな風に作られるものなのだろう。

 ブリスボールの基本的な材料は、ドライフルーツとナッツ、そして生地のつなぎとなる粉類だ。ちなみに粉類は火を加える必要のないココナッツファインやオートミール、きなこなどグルテンフリーのものを使う。生地のまとまりが悪い場合などには蜂蜜やオイルなどの液体を少量加えることもある。またお好みで抹茶やプロテインなどを混ぜることもできる。

 基本材料であるドライフルーツやナッツ、粉類に何を使うかは各材料の配合(1:1:1)を守ればほぼ自由。自分の好きなドライフルーツやナッツで作れる。材料の組み合わせ次第で無限のバリエーションが楽しめそうだ。本書のレシピでブリスボール作りに慣れたら、自分のオリジナルに挑戦するのもいいかもしれない。

 作り方も簡単だ。合わせた材料をフードプロセッサーなどでペースト状にし、手でボール状に丸めるだけ。オーブンは使わない。バナナや甘栗など比較的柔らかい素材を使うときはフードプロセッサーなしでも作れる。普段あまり自炊をしない人や料理初心者でも作れる手軽さも魅力だ(ちなみに著者も料理が苦手らしい)。

 ブリスボールは未精製の炭水化物や良質のタンパク質や脂質、食物繊維を含み、腹持ちもいい。おやつにするのはもちろん、朝食や軽めの食事代わりにしてもよし。持ち運びしやすいので職場や学校にも持っていける。ジム前後の補給食として活用している人もいるようだ。

 もっとも簡単ヘルシーなブリスボールにも一応弱点はある。それは1個あたりのカロリーが約100kcalはあるということだ。高カロリー食品であるナッツやドライフルーツをたっぷり使っているため食べ過ぎには要注意。好きなだけ食べてダイエットできるような魔法のようなおやつではない。

 ただそれはどんなヘルシーな食べ物にも言えることであって、特にブリスボールだけが悪いわけではない。健康的な食生活を送るうえで重要なのは身体に良いものを適量食べること。それがおいしいのであれば身体だけでなく心も嬉しい。本書で紹介されたレシピを通じて心も身体も喜ぶ食生活のヒントを探してみてはいかがだろうか。

文=遠野莉子