ハエからネコまで、動物ってよく見れば見るほど面白い

小説・エッセイ

2012/2/3

ネコの住所録

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:eBookJapan
著者名:群ようこ 価格:420円

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この作品の著者である群ようこさん同様、私も動物が好きです。しかし、彼女は思った以上に強者でした。なにせハチとも交友関係を持てるのですから。

さて、本書は一口に言えば、動物達にまつわるエピソードを集めたエッセイ集。身近な犬や猫から厄介なハエやアリまで登場し、ストーリーを盛り上げてくれます。前文で挙げた「ハチとの交友関係」については本書の一篇「変わり者ハッちゃん」を読んであくまで私が思ったことです。

このお話は著者が当時、新宿にある小さな出版社に勤めていた頃、オフィスに転がっていた瀕死状態のハチに、スポンジに水を含ませて与えたところ、それから毎日オフィスに通うようになったという逸話。しかも、その後クーラーで涼むという更なる奇怪な行動を見せてくれるんです。

私もハチのハチらしからぬ行動に思わず目を丸くしてしまいました! こんなこともあるんですね~。それにしても、オフィスに通うハチもなかなかですが、「害がないから」という理由でそのままハチと共生してしまう著者もやはり強者です! 私だったら即座に追い出します。

そんな著者の行動は一見面白くも見て取れるのですが、もしかすると尊敬してしまうかも…とも思うのです。害がなければハチの意思まで優先してしまうし、部屋にやってきたアリ軍団も、私だったら少なくとも、絶望したあと「殺虫剤」に至るところですが、殺さず追い出す方法をあれこれ試行錯誤していましたし。

ある一遍では、犬に対して「人間に対する犬道的配慮が欠けている」と犬には犬なりの礼儀を求めていました。ということは「動物に対する人間的配慮」も彼女の中にはあるわけですよね。動物より優位に立てる私たちは動物に自分の気持ちを押し付けがちですが、それなりの責任と配慮しなければいけませんよね。

著者の観察力もあってこそですが、この動物に配慮した接し方が、動物の心を開いているように見えました。可愛いとか可愛くないだけじゃない、もっと個性的でしたたかな動物の姿が垣間見える1冊です。

室内に侵入したハチを可愛がる著者がいれば

死んだペットと別れたくないあまり冷凍保存してしまう飼い主もいる

恋人ならぬ恋猫を待ち続けるネコがいて

グルメを意地でも貫くインコがいる。人も動物もいろんな意味で本当に面白い (C)Youko Mure 2003