目は弱くて“むき出しの臓器” 赤ちゃんからシニア世代まで、知らないと危ない! いちばん新しい目の知識

健康・美容

公開日:2017/8/30

『スーパードクターと学ぶ 一生よく見える目になろう』(深作秀春/主婦の友社)

 PCやスマホを見るときに眉間にシワがよったり、上手く調節できなくて画面が見にくかったり、「もしかして老眼?」「最近、見え方が変かも?」と思い当たることがありませんか?

 長時間ブルーライトの出る画面を見続ける生活が普通になり、コンタクトレンズのトラブル、眼精疲労、止まらない視力低下など、若くても、日頃から目の不安を感じている方が多いようです。

■実は、目の寿命は65~70年!?

「ほんの60年ほど前までは、平均寿命が50歳代と短く、目の病気を意識する前に亡くなってしまっていました。一方で、現代では平均寿命が90歳近くなっています。しかし、実は目の寿命はせいぜい65~70年なので、多くの方が白内障、緑内障、加齢黄斑変性など失明の危険のある病気にかかるのです」と話すのは、『スーパードクターと学ぶ 一生よく見える目になろう』(主婦の友社)の著者で深作眼科の深作秀春院長。

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「人の寿命と目の寿命の20年の差を埋めるためには、車の車検のように、40代からの目の見え方など『目の点検』が大切なのです」
 ふだんから目によい生活をして目の病気を早期発見できるようにして、早期の目のメンテナンスが重要と言います。

■手軽な目の健康法が、ほんとうは危険なことも!?

 多くの方の目の不安に対して、世間では「眼球体操」「目は◯分で良くなる」「この絵を見れば視力回復」など目のトレーニングやマッサージ法を紹介する本があります。けれども実際は効き目がなく、かえって目が疲れ、さらには網膜剥離や白内障を起こす可能性もある危険な行為だと深作先生は指摘します。

「もしこのような眼球を激しく動かす運動や、目をたたいたりこすったりするマッサージを、毎日熱心に行った場合、アトピー性皮膚炎でよく目をこすっている方や、老化現象で網膜が破れやすくなっている方などは、大変危険です」。
 よかれと思ってやったことが、失明につながる病気を引き起こす可能性があるといいます。 

 また、ブルーベリーが目によいという伝説がありますが、これは実はエビデンス(証明)はなく、目への効果はほぼないと考えます。
「お手軽で間違った目の健康法に、決してまどわされないようにしてほしい」と深作先生は言います。

■日本の眼科は欧米先進国より遅れている!?

 世界の最先端の眼科外科は日々進歩し、新しい手術方法などが開発され、かつては失明するしかなかった病気が治るようになりました。一方、日本は、先進国の中では、遅れている点があり、白内障の手術ひとつをとっても、国内の施設間で差が大きいということは、衝撃の事実です。

「目の病気はいくつもの病気が重なっているのが普通です。一つだけ専門ですというのはおかしいのです。全ての手術が出来て初めて、難しい顕微鏡手術が完成し結果を出します」。
 将来まだ先のことであっても、大切な家族が目の手術をするときには、自分の目で確かめて、十分な手術経験のある確かな腕のある眼科外科医を選びたいものです。

 また、情報の90%は目から入ってくるといわれ、よく見えることが認知症の予防にもなります。世界最先端の手術を受ければ、高齢の方でも手術後に裸眼1.0の、眼鏡の要らない裸眼生活が現実になっています。

■赤ちゃんや子どもの目の発達も、大人の正しい知識から

「人は生まれてから亡くなるまで、目の病気や事故と切り離せないのです。子どもの視力の発達は6歳までなので、早期に親が異常を見つけてあげることが重要です。また、10代の子どもたちが、激しいスポーツなどで目に衝撃を受けて網膜剥離が起きることもあります」。
「赤ちゃんからシニアまで、健やかにしあわせに生きていいくために、ぜひ、正しい目の知識を得て、最新の眼科治療を選択してください」。

 大切な目は、むき出しの弱い臓器です。どんな目のトラブルがあっても落ち着いて対処できるよう、最新の目の知識を手にいれておきましょう。