<思わず試したくなるアート!>いつものお弁当のふたを開けた瞬間“あの有名企業の看板”が現れた!?【作ってみた】

食・料理

更新日:2017/9/26


『愛と憎しみを込めた猟奇的弁当』(まこつ/KADOKAWA)

 普段お弁当を作っている人なら、いつも同じような見た目にマンネリを感じたりしていませんか? 自分のためならまだしも、家族のために作っていたりしたら何かお弁当のふたを開けるのが楽しくなるような中身を作ってみたいと思ったり。そんなお弁当に刺激を求めている人にぴったりな『愛と憎しみを込めた猟奇的弁当 フタを開けたらつい笑っちゃう!企業弁当&おかず150』(まこつ/KADOKAWA)が発売されました。

 もともとは著者のまこつさんが旦那さんのために愛を込めたお弁当を作っていたのが、いつの間にか歪んだ愛へと変貌し、度肝を抜くスタイルのお弁当になってしまったとか。いずれもベースは企業の商品やキャラクター、CMなどが素材となっていて、もはや「お弁当アート」の世界。そこで無謀にも、今回は本書の中で紹介されている、目薬で有名なあの企業のCMをデザインしたお弁当作りに挑戦してみました。

■海苔アートの必須アイテムはこれ!


 お弁当アートに欠かせないのが焼き海苔を使った「海苔アート」。今回のお弁当もこの海苔アートがメインのデザインになります。かなり細かな作業が多いのですが、そんな時に使える必須アイテムがこれら。カッティングボード、トレーシングペーパー、カッター、デザインナイフ、ボールペン、ピンセット、楊枝など。どれも100円ショップで買えるものばかりなので、始める前に準備しておきたいところ。

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■とにかく細かい作業が続きます…


 実際作り始めるにあたり、必要になってくるのが元のデザイン。今回はあの「ロート、ロート、ロート」という企業CMでおなじみ・ロート製薬の、まさしくあのCMに出てくる建物をデザインします。そこで企業のHPなどからデザインを探し、スマホやタブレットの上にカットしたトレーシングペーパーを重ねてボールペンでなぞり、デザインを起こします。


 次に、焼き海苔の上に先ほどのトレーシングペーパーを重ねてクリップで留め、これをカッティングボードの上に置き、書き起こした線に沿ってデザインナイフなどで切り抜いていきます。これがもう本当に細かい作業の連続。細い線や細かい文字ばかりで途中で気がめいり、何度も投げ出しそうになりました。でも、細かければ細かいところほどうまくカットできた時は思わず「やった!」っと心の中で叫び、かなりの達成感を感じられます。ちなみに、海苔の細かな部分はナイフを一気に進めるのではなく、ミシンの針のように刃先を細かくプッシュしながら移動させるのがうまくカットする秘訣だとか。


 そして苦労してカットした海苔をスライスチーズの上にピンセットを使って慎重にのせれば、海苔アートが見事に浮かび上がってきました! 正直、海苔だけをカットしていると自分が何を作っていたのか見失いそうになるのですが、こうやって実際に作った絵や文字が浮かび上がってくると、ここで初めて作ってきたものが理解でき、かなり感慨深いものがあります。


 また、このお弁当アートに欠かせないもう1つのアイテムが、ご飯に着色を施すふりかけです。今回は空の青さを表現するために、青色のふりかけをご飯に混ぜ込んでみました。お弁当アートは多彩な色を使うので、こういったふりかけ以外にも、赤ウインナー、かにかま、ロースハム、薄焼き卵、にんじん、いんげんなどが大活躍します。
こうして、デザインを構成する各パーツが出来ればあとは組み合わせて完成です。

■さて出来映えは?


 ロート製薬弁当が完成しました! このシーン、確かにCMで見たことがありますよね。青空の中にそびえたつ白い建物、その周りを勢いよく飛び立つハトたち。これを見ただけであの曲が流れてきそうです。建物の立体感もなかなかうまく表現できました。このお弁当作りの中でやはり大変だったのは、海苔アートの部分。特に「提供」と「製薬」は画数が多い難しい漢字だったのでかなり慎重に進め、初チャレンジということもあって気がついたらこの海苔アートの部分だけで1時間半ほどかかっていました。でも完成したら完成したで、達成感と思い入れが強く、なかなか食べることができませんでした。それにしても、こんなお弁当を旦那様のために日々作っている著者は本当に凄い。

■作り手も食べ手も楽しいお弁当もたまにはいいものです

 これだけ外食産業が栄え、お金を出せばすぐに美味しいものが手に入る世の中でも、あえて手作り弁当を作るというのは、やはりかなりのことですよね。とはいえ、毎日のことなのでやはりマンネリ化をしてしまうのは仕方のないこと。そんな時にはおかずでバリエーションをつけるのもいいですが、たまにはこうやって食べる人の意表をつくお弁当を作ってみるのはいかがですか?ふたを開けて驚いた顔をしている姿を想像しながらのお弁当作りはなかなか楽しいですよ。

文=JUNKO