大人になっても頭は良くなる! 16万人の脳画像を見てきた脳医学者が明かした「脳を本気」にさせる方法

健康

2017/9/14

『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(瀧靖之/文響社)

 ようやく気候も落ち着いたこの頃。就職活動への対策やキャリアアップ、あるいは趣味のために、大人も新たな勉強を始める時期である。既に目標へ向かって日々励んでいる人も少なくないだろう。だが、学習が順調に進む日ばかりとは限らない。時間的な問題や、人それぞれ、様々な“大人の事情”により、なかなか取り掛かれなかったり、理解するのに時間がかかったりと、足踏み状態が続いてしまうことがある。あるいは「今更勉強しても・・・・・・」とスタートラインに立つことでさえ、躊躇する人もいるのではないか。

 そこで注目したいのは、最新の脳研究だ。大人の脳の力や特徴を知ることによって、学習への悩みが解決するとしたら?しかも、子どもに限らず、大人でも才能や能力を伸ばせると知ったら?

 本書『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(瀧靖之/文響社)は、前作(16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ)に続く“大人”編だ。子育てという観点からの前作とは異なり、今回は“大人の脳”に焦点を当てる。

 著者である瀧氏は、医師であり、東北大学加齢医学研究所教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作り、脳の発達、加齢のメカニズムを研究する脳医学、認知症研究の専門家だ。これまでに16万人の脳画像の解析をしてきた著者は、“20歳を過ぎたら「脳との付き合い方」を見直そう”と提唱する。

 簡単ではあるが脳機能の説明を少し。人のおでこ付近に位置している、脳の「前頭前野」と言われる部分には、“考える”“計画する”“判断する”“決定する”“洞察する”“コミュニケーション能力”などの「高次認知機能」と呼ばれる知的な活動があることがわかっているそうだ。そして、著者は強く言及する。

 脳から見た認知症予防というのはまさに、この高次認知機能を司る前頭前野の部分を、年をとっても保つこと、といっても過言ではありません。(略)ですから、大人になったらそれまで以上に高次認知機能を司る前頭前野をしっかりと刺激して、成長を促してあげることが必須です。

 なんと、大人の脳でも刺激すれば、まだまだ成長するというのである。では、私達大人が何か学習する時、どんなふうに脳と関わっていけばいいのか。

 学生時代の勉強スタイル───自分の席に座っていれば教壇に立った先生が色々なことを話して聞かせてくれる───は、あまり効果的ではないかもしれません。そうではなくて、自分自身の好奇心が刺激されることを自ら選び取っていく必要があるでしょう。

 そのためには、何を、誰に、どこで、いつ、どうやって学ぶのかから、自分で決めていくことが必要です。

 やはり、脳の健康維持のためには、能動的な姿勢と夢や目標を持ち続けることが重要なことなのだ。

 この他、大人の脳にまつわる知識を得ながら「大人の脳の特徴を活かし、何歳までも脳を育てて能力を高める方法」や、仕事にも応用ができる「学習効果が格段に上がる3つのステップ」、学習内容の「記憶力アップの秘訣」、「脳に定着させるノート・メモの技術」など、高い集中力を養える「大人の勉強法」が紹介されている。

 そして“生活習慣と脳”という側面からの食事、運動、睡眠の役割について、脳医学の見地から具体的に述べられており、脳に悪い2つの習慣として「なぜ喫煙・飲酒は脳にとってマイナスか」も科学的な視点から、しっかりと説明がある。これは人により、耳が痛い項目かもしれないが、将来のリスク軽減のためにぜひ再確認を。

 夢を持つことや、脳に良い習慣や勉強法を実践することに年齢制限はない。日常生活において、好奇心や向上心を刺激し続けることが、認知症予防に繋がるのだ。

 爽やかなこの季節に、興味があること、好きなこと、何かを始めてみよう。

文=小林みさえ