ラノベ「このすば」と同じレベル!? コメディ探偵小説『ハードボイルド・エッグ』の主人公の残念ぶりが清々しい!

文芸・カルチャー

2017/9/24



 シリーズ累計400万部突破。2回のアニメ放送に加え、つい最近、次なるアニメ企画が始動したことが発表された「このすば」こと、『この素晴らしい世界に祝福を!』(以下、「このすば」)。ここ最近のラノベを代表する人気作ですが、この作品が好きな人にぜひ読んでほしいのが、『ハードボイルド・エッグ』という文芸作品です。

「このすば」がダメダメ主人公と残念な仲間たちによる異世界日常系ギャグコメディなら、『ハードボイルド・エッグ』は、現実世界でのダメダメ主人公と残念な仲間たちによる日常系ギャグコメディ。

 ハードボイルドな生き方に固執するあまり、探偵小説の名言を乱用し、人との会話が成り立たない主人公、最上俊平は、フィリップ・マーロウに憧れて探偵になったものの仕事はペット探しばかり。

 客先で「何か飲む?」と聞かれればここぞとばかりに渋く答える。
「ウイスキーソーダを。氷は三つ。レモンは軽く絞って。なければ水で。」
 …水が出てきた。

 あれ? 心躍る殺人事件の依頼は?美人秘書は?
 この“こんなはずじゃなかった”感は、「このすば」の主人公・カズマが、車に轢かれそうな女の子を助けたつもりが、突き飛ばして怪我をさせただけのあげく、寸前で止まったトラクターに驚き心臓麻痺で死んだのと、まさに同じレベル。

 自分の取ってきた行動を振り返って「うわああああ。黒歴史だああああ!」と悶えることなく、ひたすら残念な方向にまっすぐ突き進む姿は爆笑必至…ではなくて、清々しさすら感じます。本人は至って真面目で笑えるコメディ探偵小説、とくとご覧あれ。