がんの原因の約8割は生活習慣――360人以上の患者と向き合ってきた医者が教える、再発を防ぐ生活習慣

健康・美容

2017/10/2

『がんを再発させない暮らし方』(鹿島田忠史/主婦の友社)

 日本人の死因第1位であるがん 。医療技術の進歩とともに、早期の発見・治療が可能となり、根治するケースも増えている。いまや、治らない病気ではないとも言われているが、怖いのは再発や転移の可能性があるところ。手術で腫瘍を摘出し、抗がん剤治療を受けても、その可能性がゼロになることはない。最近では、女優の古村比呂さんが、子宮頸がんの再発を明かしている。 最初の発症からちょうど5年目のこと。幸いにも、抗がん剤・放射線治療を受け、腫瘍マーカーは正常値になったそうだ。

 がんの再発を防ぐにはどうしたらいいのだろうか? 現在、医療機関でのがんの一般的な治療は、手術・放射線・抗がん剤。一連の治療が終わると定期的に検査を受ける程度で、再発を防ぐための具体的なアドバイスをもらえることは、あまりない。がんに罹患し治療は成功したものの、再発の不安を抱えながら生活している人も多い。

 そこでオススメしたいのが『がんを再発させない暮らし方』(鹿島田忠史/主婦の友社)だ。医師であり、自身の医院で26年間、360人以上 のがん患者と向き合ってきた著者が、がんの再発防止に役立つ具体的な方法を紹介している。著者によれば、がんの原因の約8割は生活習慣なので、その改善が鍵となる。本書に掲載されているのは、どれも普段の生活に取り入れやすく、実行・継続がしやすいものばかりだ。

■大切なのは「気持ちよさ」——操体原理

 著者が生活習慣改善の指導を行う際、ベースとなるのが「操体原理」。すべてが科学的に証明されているわけではないが、治療を通して有効性を実感しているという。ポイントは以下の3つ。

1、後が気持ちよいことは体によい
2、呼吸・食事・運動・ストレス管理・生活環境を気持ちよく調節すれば、健康増進・治癒促進ができる
3、病気になるのも治るのも体のゆがみが出発点となる

「気持ちよさ」を重視しており、著者が推奨するエクササイズなども、無理のない範囲で「気持ちよく」続けることが大切だ。

 この操体原理に基づき、本書では、呼吸・食事・運動・ストレス管理・生活環境について、毎日できるエクササイズや生活習慣が収録されている。ここでは、その一部を抜粋してご紹介する。

■呼吸機能の改善(呼吸)

 生きている限り、常に呼吸をしている。当たり前のことなので意識を向けることは少ない。しかし、がん細胞は低酸素状態を好むため、効率よく酸素を取り入れて体内を高酸素の状態に保つことが大切だ。しかも、老化で最も低下するのが呼吸機能なので、注意が必要。呼吸を左右する要素は、(1)気道、(2)呼吸筋、(3)呼吸中枢の3つ。推奨されるエクササイズは、気道をスムーズにする「気道ストレッチ」、呼吸筋を鍛える「握りこぶし呼吸法」、呼吸中枢を敏感にする「顔面水つけ」だ。イラスト入りで分かりやすく解説されているので、興味のある方は本書でご確認を。

■体のゆがみを取り除いて免疫アップ(運動)

 操体原理によれば、病気になるのも治るのも体のゆがみが出発点。体のゆがみがあると体調が悪化し、検査で異常値が出るようになり、内臓の形に異常が出る。体のゆがみがなくなり体調が回復すると、検査値が正常になり、内臓の形が修復される。そこで、寝る前の数分で行うことができる腰と肩のゆがみを取る矯正体操「セルフSPAT」が推奨されている。著者の医院のがん患者さんで、骨格のゆがみ取り体操を実行して効果があった例もあるそう。もちろん、この体操だけの効果とは言いきれないが、セルフSPATを続けたことで局所の循環が改善し、免疫細胞が活発になったのではないかと著者は指摘する。

 ここでは紹介しきれなかったが、本書には、他にも毎日の生活に取り入れられる習慣が多数掲載されている。すべてに共通するのは「気持ちいい」範囲で行うということ。無理をすると続かないし、それがストレスになって逆効果になりかねないからだ。まずはできそうなことから、少しずつ生活に取り入れてみてはいかがだろうか。

文=松澤友子