料理に自信がない人も、より上手に見られたい人も! 「実力詐称」で料理上手になれる本【作ってみた】

食・料理

更新日:2018/7/2

『実力詐称レシピランクアップ編』(岩崎啓子/学研プラス)

 料理に自信がない、料理上手になりたい、と悩む声をよく耳にする。それでも人は食べなければ生きていけないし、毎日外食やお惣菜に頼っていては、不健康だし不経済だ。また、自分だけならまだしも、他にも食べる人がいる場合は見た目にも気を配る必要がある。でも、極力料理をしたくない、と思っている人ほど「料理を簡単に美味しく作るコツ」を知らずにいるため、途方に暮れてしまう。

 先日、そんな悩みを抱える人を救ってくれそうな、『実力詐称レシピ定番編』(岩崎啓子/学研プラス)、『実力詐称レシピランクアップ編』(岩崎啓子/学研プラス)という本が登場した。本書には、料理の実力を詐称できる“詐欺ポイント”が書かれており、タイトル通り“実力詐称”できてしまうらしい。そこで、一体どうやって詐称するのか、実際に作ってみた。筆者は料理初心者ではないので、今回はランクアップ編の方を試してみようと思う。

■「チーズインハンバーグ」(P.14~P.15)

 まずは、中身が流れ出てしまうことも多い「チーズインハンバーグ」。肉汁とともにチーズを封じ込めておくには、どうすればいいのか。本書によると、チーズを凍らせて形作っておくことと、先に肉に塩を混ぜ込み、割れにくくすることがポイントのようだ。その他の作り方は至って普通で、合いびき肉、塩、胡椒、ナツメグ、パン粉、牛乳、卵、バターで炒めた玉ねぎをしっかりと混ぜ、凍らせたチーズを包んで焼くだけ。

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 完成し、ドキドキしながらハンバーグにナイフを入れると、肉汁があふれ出し、チーズが流れてきた。書いてある通りに焼いただけなのに、確かにランクアップしている。もちろん肉も柔らかく、とってもジューシーだ。

■「かき揚げ」(P.38~P.39)

 続いては、バラバラになるかべっとりしてしまうこともある「かき揚げ」。こちらの詐欺ポイントは、少し平らにし、菜箸でところどころ穴をあけることだそう。作り方は、卵黄、冷水、小麦粉をボウルに入れてさっと混ぜ、下処理をした海老、切った三つ葉を加えてざっくりと混ぜる。そしてたねを木べら等に乗せ、スライドさせるように油に入れて揚げれば完成。

 火を通りやすくすることで、サクッと仕上がり、海老の食感を損なうこともない。ちなみに、炭酸水を使うとより簡単にサクサクのかき揚げを作ることができるので、これも詐欺ポイントとして加えてほしい。

■「油淋鶏」(P.74~P.75)

 最後は、皮目の焼き方で食感と脂っこさが大きく変わってくる「油淋鶏」。詐欺ポイントは、油の温度の管理だそうだ。まずは鶏もも肉の皮目にフォークで穴をあけて、塩胡椒と酒を絡めて下味をつけ、片栗粉をまぶす。フライパンに深めに油を入れて150度で皮目からじっくり両面を揚げ、最後は180度でカリッとさせたら、切ってレタスを敷いた器に盛り、醤油、酢、砂糖、生姜、にんにく、赤唐辛子、ねぎを混ぜたタレをかけて完成。

 温度管理をきちんと行うことで、皮はカリッと、身はジューシーに仕上がり、無駄な脂っこさもない。薬味を効かせた甘辛いタレが絡んで食欲をそそり、あっという間に食べてしまった。

 どのレシピも難しい技術は必要なく、簡単にランクアップさせることができた。この『実力詐称レシピランクアップ編』の技を使えば、料理に慣れていなくても、明日から「なんでこんな美味しく作れるの!?」「料理上手だね!」と言ってもらえるだろう。

 本書には、他にも「パエリア」や「ビーフシチュー」「オニオングラタンスープ」など、作れないことはないけどコツを知ってもうワンランク上を目指し、大切な相手に食べさせたいレシピばかりが掲載されている。どれも料理を美味しく仕上げるために必要な技なので、実力を詐称しているうちに、本物の料理上手になることもできそうだ。

調理、文=月乃雫