「知っている言葉」を「使いこなせる言葉」へ昇華させるベストセラー! 社用メールからSNS投稿文まで、デキる人が使うテクニック

ビジネス

2017/10/10

『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(吉田裕子/かんき出版)

 SNS、ブログ、メールなど、だれにとっても文章を書く機会は増えている。そこで問われるのが「語彙力」である。単に語彙が豊富なだけでは「語彙力」が高いとは言えない。なぜなら、気の利いた言葉を知っていたとしても、それを使うTPOや相手が間違っていたら台無しだからだ。

 つまり語彙力の高さとは、「語彙が豊富」なだけでなく、「言葉の意味を正しく理解し、適切に使いこなせている」かどうかで決まる。

 そこで日夜、ブログやSNSへの投稿文章や会社でのメール作成で四苦八苦している方々にオススメしたいのが『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(吉田裕子/かんき出版)だ。

 すでにベストセラーの本書だが、その人気の秘密は「知っている語彙」を「使いこなせる語彙」へと昇華させてくれる、著者の高い語彙力に裏付けられた言葉の解説にある。

 例えば、本書が取り上げる言葉に「はなむけ」がある。この言葉を「知っている」人は多いだろう。では、どんな時に使えてどんな漢字を書くか? となると、うーんと悩んでしまい、「使いこなせる言葉」には至っていないのではないだろうか?

 はなむけは結婚式など華やかな場で使われることが多く、漢字を問われると「華向け? 花向け?」と想起しがちだ。

 しかし本書によれば、「鼻向け」が語源だという(その後「餞」が派生)。その昔、人が馬で旅に出る際、無難を祈り「馬の鼻を旅立つ方向に向けた」風習から転じて、新たな旅立ちを迎えた人に贈られる金品や言葉を指す「はなむけ」になったそうだ。

 本書にはこのように、仕事からプライベートまで、日常で使える200の言葉が厳選されている。その中から今回は、SNSやブログ投稿文をキラッと光らせる筆者オススメの言葉と、下手すればコメント欄に草が生える、使い方を間違いやすい言葉を、本書の解説と合わせて紹介しよう。

<オススメの言葉>
●「私淑(ししゅく)する」

自分が学んでいることをブログに投稿する人は多い。そんな際に使いたい言葉だ。

(例文)長年私淑していた実業家に、直接お目にかかる機会を得た。
(解説)直接教えを受けたわけではないものの、ある人のことを深く尊敬し、その著書などを通じて考えや技術を学ぼうとすることを「私淑する」と言います。

●「畏友(いゆう)」

友人はブログに欠かせない登場人物だ。特別感をキラリと光らせたい友人に対してはこの言葉を使ってみよう。

(例文)畏友たる君の活躍にいつも刺激を受けている。
(解説)かしこまるような立派な友。(中略)自分よりも年上であったり、社会的に活躍している相手については「畏友」を用いるのがふさわしいでしょう。

<間違いやすい言葉>
●この親にしてこの子あり

「うちの子をイジメた親もトンデモだった。まさに、この親にしてこの子あり、だわ」はブログで散見する誤用のテンプレ。親子を否定する際には使えない。

(解説)「これほど優れた親があってこそ、これほど素晴らしい子供が生まれるのだ」と感心し、称える意味で使う言葉です。

●奥さん 世間ずれ

「うちの奥さんってさ、世間ずれしていて常識を知らない」もダブル誤用のテンプレ。

(解説)奥さんは他人の妻を敬って表す呼称です。自分の配偶者のことを外で言い表す場合には「妻」、「家内」が適切です。世間ずれとは「世間に慣れ、ずる賢くなること」。

 いかがだろうか? 知っているようで誤用してしまう「知ったか言葉」は意外に多いものだ。とりあえず本書にある200語、それだけをマスターしてみよう。公私ともにコミュニケーションは円滑になり、「いいね!」量産の投稿記事だって、楽々アップできるはずだ。

文=町田光