ラブホに衝撃!「便利なのに不安な日本人」と「不便でも気にしないフランス人」――夫は日本人漫画家。フランス人ママが見た日本とは?

アニメ・マンガ

2017/10/13

『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』(西村・プペ・カリン:著、石田みゆ:訳/大和書房)

 外国からの観光客は年々増加。日本に居住して働く外国人も多くなり、だいぶ国際色豊かになったように感じる私たちの国。それぞれ違う文化を持ち、違う環境で育った人たちの目に、この国、私たち日本人はどんな風に映っているのだろう?

 『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』(西村・プペ・カリン:著、石田みゆ:訳/大和書房)の著者は、日本で働くフランス人ジャーナリスト。日本人漫画家と結婚し、1児のママでもある。本書ではさまざまな角度から日本とフランスを比較し、そこから見えたものをユーモラスに、且つ鋭く書いている。

 お洒落で洗練されたイメージで人気が高いフランス。そのフランスと日本の違いといえば、例えば、恋愛面。フランス人男性はナンパが得意で情熱的だが、日本人男性は草食系。繊細さはチャーミングなのに、消極的過ぎると著者は嘆く。特に、欧米人女性は近づきもされず、女性としてみられていないのではと悲しい思いをする人も多いそう。

 著者自身は自分からきっかけを作り、日本人の夫を見つけたという。対照的に、日本人女性は外国人との恋愛に積極的。日本にやってくるフランス人男性はとにかくモテモテで、フランス人であるだけで魅力的に見えるのかも…と綴られている。

 また、何かと男女別々なのも日本の不思議な点。友達どうしの集まりにパートナーを連れて行けないことや、女性しかいない喫茶店、男性だらけの居酒屋を多く見かけることは驚きだという。男女は交ざってこそ自然。レディースデーやおひとりさまプランがあることも、「男女が別々に行動して出会わないよう、しむけているようなサービス」に見え、少子化につながっているのでは? と懸念する。

 そして、著者がフランスとの違いで、特に衝撃を受けた日本の4つのサービスがある。1つは鉄道サービスで、本数の多さと運行の正確さに。2つめはコンビニで、その数の多さと品ぞろえ、支えるロジスティクスに。3つめは宅配便で、こちらも正確さや提供されるサービスの豊富さに。これらは外国人が持つ日本の印象の中でよく出る話だが、4つめはなんと、ラブホテル。「そのためだけ」に建てられたホテルはフランスには存在しないといい、スタッフの姿が見えない受付や充実した設備のあるラブホテルは外国人におすすめの日本のイチ押し観光スポットと紹介している。

 こういったサービスについて著者は、日本人がいかに人々の細かいニーズに対して几帳面に応えているかがよくわかるとして素晴らしいと称賛しつつ、「不安」はすぐに解消しなければ安心できないという点は、日本人の欠点でもあると指摘している。

 本書には他にも、結婚や妊娠、教育、仕事、政治など、幅広いテーマについて、日仏の国民性や価値観の違いが書かれていて興味深い。ジャーナリストとしてはもちろん、長く日本に住み、日本人と家庭を作ったママの視点でも書かれた内容には、私たちを取り巻く環境や価値観について改めて考えさせられるところも多かった。

 当たり前だが、どの国にも良いところ、改めた方がいいところがある。お互いの国を知ることで理解も深まるし、自分の国を見つめ直すにもおすすめしたい一冊だ。

文=三井結木