高層ビル女子、出張女子…日本を通過する低気圧は年間100個!「低気圧女子」の処方せんとは?

健康・美容

2017/10/13

『天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん』(小越久美/セブン&アイ出版)

 各地から紅葉の知らせも届き、深まる秋。だが、季節が進むなかで、どんより空から雨が降り出しそうな時や、逆に天候が回復していく時、“気圧や気温の変化”が、個人差はあるものの、体調や気分に影響したことはないだろうか。

 例えば、関節痛、むくみ、気分の落ち込みなどの症状だ。この不調を「気象病」と呼ぶそうだ。また、民間の気象会社のデータからは「気象病は女性に多いことがうかがえる」とのこと。

『天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん』(小越久美/セブン&アイ出版)は、天気による不調に悩まされる女性を「低気圧女子」と定義する。そして不調の原因は「自律神経の乱れ」からだという。

 女性気象予報士の著者は、天気キャスターと並行しながら「健康気象アドバイザー」「データ解析士」の資格を取得。さらに生態学のひとつ「生気象学(せいきしょうがく)」を学んできた。その学びをベースに、本書は低気圧女子が知っておくべき、自律神経と天気の関係、偏西風と低気圧についての解説、女性特有のホルモンバランスと天気の関わり、対処法について書かれている。

「偏西風」「低気圧」「自律神経」など理系のキーワードが続くが、どの言葉もイチから説明されており、わかりやすいイラストや図も挿入されていて、理系の知識がなくても心配無用の一冊だ。

 1章で天気と自律神経の基礎知識を得たところで、2章の「低気圧女子のためのお天気講座」へ。まず、驚くのが、日本の上空を通過する低気圧の数。なんと“年間100個”に及ぶそうだ。

 2章では、近年よく耳にする爆弾低気圧や、秋雨前線、放射冷却など、四季折々現れる空模様をピックアップして、その特徴の解説と典型的な天気図、体調への影響をとり上げている。これから注意が必要な空模様の一例を見てみよう。

11月~2月 二つ玉低気圧
・日本の南北を挟むようにふたつの低気圧が通過。
・北海道から沖縄まで、全国的に雨や雪、強い風に見舞われる。
・低気圧と冷えのせいで、頭痛や肩こり、古傷の痛みが発生しやすい。

 では、どういった対処をしていけばいいのか。症状別に取り上げているのが、4章の「低気圧女子のための症状別処方せん」だ。典型的な頭痛、めまい、季節性感情障害(冬季うつ病)など現れる症状別に特徴を記載。続けて“処方せん”として、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」に有効な働きかけができるように、クスリに頼らない改善策を提案していく。

 一部を紹介しよう。“片頭痛”の処方せんは「血行促進はズキズキ悪化のもと、入浴を控え、シャワーだけに。動くと痛みが増すので静かにすごす」など。

 一方、“緊張性頭痛”の処方せんは「ぬるめのお湯にのんびりつかる。ウォーキングなどの軽めの運動をして血行を促進させる」など。このように、頭痛の特徴によって処方せんが大きく異なる。

 さらに、気圧の変化が激しい環境に身を置く、飛行機や新幹線での移動が多い「出張女子」や、高層階のオフィスまたは在住が日常の「高層ビル女子」への処方せんがあるのも独自の着目点だ。ぜひ、チェックしておきたい。

 そして、天気とホルモンバランスの関係についても、著者によると「生理周期と気象病は深くかかわっていると推察」されると言う。巻末ふろくの“低気圧女子セルフチェック表”で、ある程度の期間の体調を記録すれば、自分に影響を与える気象条件がわかり、症状の予防や緩和が期待できそうだ。

 なお、本書監修は自律神経研究の第一人者、小林弘幸医師。「Dr.小林からの処方せん」で文中に登場している。

 これから、ひと雨ごとに寒さが増してくる。天気予報を、傘の出番や服装の目安としてだけではなく、気象病防止にも活用し、低気圧女子から卒業しよう。

文=小林みさえ