1日ごとにどんどん美味しくなる驚愕の料理とは? 小田真規子先生「つくりおきおかずで朝つめるだけ!弁当 BEST」試食会をレポ

食・料理

公開日:2017/10/27

 人気シリーズの永久保存版となる『つくりおきおかずで朝つめるだけ! 弁当 BEST(別冊ESSE)』を刊行したばかりの料理家・小田真規子先生が試食会を開催。料理やお弁当に興味をもつESSEのプラチナレポーター10名が、つくりおきおかずを試食したほか、調理を間近で見学したり、お弁当のつめ方を実践したりして、あらためて小田先生の料理の魅力に触れた。

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 つくりおきおかずといえば、一般的には、つくって4~5日もたせることを目的に作られることが多いが、小田先生の料理は、1週間もたせて、「1週間で1日ごとに美味しくなった料理をいただく」ことができるから、そこが違う。同じ料理を、調理1日後、5日後…とラベリングして保存し、ちゃんと美味しくなっているか、お弁当向けに冷めていても美味しいかどうかを検証して、その条件をクリアした料理だけを本に掲載しているという。

フレッシュな美味しさからまろやかな美味しさへ

 メニューを見ると、寝かせば寝かすほど美味しくなるような煮込み料理ならまだしも、つくりたてのほうが美味しいと思えるサラダなどもあるので、日ごとに美味しさが増すなんて…? と信じがたいものがあったが、実際に「ジャガイモとキャベツとエビのサラダ」や「ゆで牛肉とトマトのマリネ」を試食すると…。レポーターの1人で、娘さんのお弁当がワンパターンになっていることを気にして試食会に参加したという服部絵美さんは、「1日目はフレッシュな美味しさがあるけど、5日目は素材の味がなじんできて、まろやかな美味しさに変わっている。最初は“本当に1週間たっても美味しいの?”って思っていたけど、先生は本当に研究を重ねて工夫していらっしゃるから感動します」と太鼓判を押していた。

美味しさの秘密は「ふんわりラップ」

 デモンストレーションでは、「豚肉のトマト煮」などの調理を見学。このトマト煮、お鍋でコトコト煮込んだような深みのある味わいなのに、調理に使っていたのは電子レンジだけ。しかも、調理時間はわずか15分ほど。小田先生によると、美味しさの秘密は「ふんわりラップ」。電子レンジの調理でよく使われる手法だが、小田先生流は「手が間に入るくらいふんわりさせる」ことがポイントで、これによって鍋で煮るのと変わらない温度調整で調理ができるそうだ。

おかずは並べず、“立てかける”!

 こうしてできあがった料理をお弁当箱につめていく体験では、小田先生が自らレポーターに指導。「意外とたくさん入るんですよ」とおかずを斜めに立て掛けるようにつめていく様子を見て、レポーターのきょうこさんは、「おかずを並べるのではなく、立てかけていくのは新鮮! このほうが立体的で美味しそうだし、お弁当は見栄えが大切なんだなって勉強させてもらいました」と語る。

 そのほか、お肉が転がらないように下にブロッコリーを敷くなど、野菜をうまく利用したつめ方を教わり、小学校に通う2児をもつレポーターの清水佑子さんは、「お肉の間にお野菜を挟むと、お肉だけをつめるよりも、ボリュームが増したように見えるのでびっくりしました。遠足でお弁当をつくる時、仕切りにはおかずカップを使っていたけど、これからは大葉やエンダイブを積極的に使っていきたいです」と意気込む。手間を増やすことなく、ちょっとした工夫で「たくさん入って、見た目も楽しく、美味しいお弁当」が仕上がっていた。

ピーマン嫌いでも食べられるつくりおきレシピ

 とにかく、「わー!」「すごい!」という驚きの声が止まなかった小田先生の料理。それは、ふだんの料理では気づくことができない調理科学に基づいているからかもしれない。「つくりおきにしても意外と美味しいのがピーマン。しっかりと火を通して油でコーティングすれば、時間を置いても変色しないし、苦味と水分が出ない。ピーマン嫌いの子どもでも食べられます。下処理や手間には必ず理由があって、理由があるからやっていただけるんです」と小田先生は語る。そうした調理科学に裏づけられた理論に加え、「ごはんの上には、紫のゆかり、青海苔、白い粉チーズのふりかけを、絵の具のように散りばめて!」と、その場の感性を生かして楽しめるところも魅力だ。

1weeK美味しい「つくりおき」は調味料選びが大事!

 どこの家庭にもある調味料を使用しているところにも注目したい。「私がよく使うのは、オイスターソースとお酢とお塩。オイスターソースは動物性の甘みと塩分があって、伸ばしていくとだしのように使えるんです。お酢は、加えると味が間延びしませんし、保存性もよくなります。発酵してつくられている味噌や醤油は、加熱すると変性するので、思いのほか味が変化して美味しさが長続きしません。だから、つくりおきにはお塩をベースにすると味が変化しずらく、長くつくりおきを楽しめます。鶏ガラスープやコンソメはほぼ使いません」。

 これには、料理家を目指しているというレポーターのSORARAさんも「調味料が少なめで味つけはシンプルなのに、どれも味がしっかりしていて。それぞれ味が違って、どの料理もすごく美味しい! 自分でつくりおきをすると、3日が限度なんですよ。それ以上はもたなくて、無駄にしてしまうことも。でも、本当に1週間美味しくいただけることが分かりました。小さい子どもからお年寄りまで、幅広く楽しめるお料理ですよね」と納得の様子。

 “朝つめるだけ”になるにはレパートリーを増やす必要がありそうだが、「最初は好きな素材から試してみて」と小田先生。「お肉とか、味の想像がつく素材からつくっていただく。あとは、つくりおきした野菜の美味しさが分かれば、自然とレパートリーは増えると思いますよ。野菜は切っただけのほうが美味しいという方も多いのですが、パプリカの炒め物など、塩分を加えてから置いておくと本当に味が良くなるんです」。

 時短で簡単で、時間が経つほど美味しくなる小田先生の料理は、一見すると魔法のように思えるけれど、15年以上かけたという研究の賜物なのだ。だから、レシピを見れば、誰でも日常的につくることができる。そう思うと、おっくうに感じていた弁当づくりが俄然楽しみになってきた!

取材・文=吉田有希 写真=山本哲也