【97%の2~3歳児が○○○な絵本】ルールはたった1つ…「このボタンを押しちゃダメ」

出産・子育て

公開日:2017/10/16

『ぜったいに おしちゃダメ?』(ビル・コッター/サンクチュアリ出版)

 私たちが『鶴の恩返し』から学んだのは、「タブー」を犯すと手痛い目を見るということ。人がタブーを犯したくなる心理は「カリギュラ効果」というらしい。「見るな」と言われれば見たくなるし、「するな」と言われれば、むしろしたくなる。

 この性質は、大人も子どもも問わない。むしろ、好奇心旺盛な子どものほうが、タブーを犯したくなる。そのたびに、親は「ダメよ!」と止める。

 ユニークな2~3歳児対象の絵本がある。書名は『ぜったいに おしちゃダメ?』(ビル・コッター/サンクチュアリ出版)。32ページの短いストーリーの中で登場するのは、不思議なモンスター「ラリー」。そして、たった一つのボタン。これだけ。

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しかし、このボタンがクセモノだ。

本の扉を開くと、こんな注意書きがある。

おとうさん、おかあさんへ

ボタンをおすと

たいへんなことが おこります

おこさまが ボタンをおさないように

じゅうぶんちゅういしてください

 子どもに「このボタンを押したらダメなのよ」と言って、親はページをめくる。すると、ラリーが登場。あらためて絵本のルールが説明される。ラリーの隣には、“押してはいけない”ボタンが。

 どんどんページをめくっていく。ラリーは、「でも、おしたらどうなるんだろう」「ダメだ」「ちょっとだけ、おしちゃおうか」と子どもを誘惑する。どのページにも、ラリーの隣にあるのは“押してはいけない”ボタン。「押してみてよ」というボタンの声が聞こえてきそうだ。

 そして、ガマンできずボタンを押してしまうと…(タイヘンなことが起こるが、それは本書にて確認を)。

 読んだ子どもの97%が声をあげて笑い、90%が「もう1回読んで」とおねだりするという本書は、Amazon 売れ筋ランキング「絵本」で3位(2017年10月6日時点)。

 親子でどちらが先に押してしまうか、ガマン比べをしても楽しそうだ。

文=ルートつつみ