人生に対して「何かが違うなぁ」とモヤモヤしたら読む本。人気の赤城夫妻が理想のパートナーを見つける秘策も伝授!

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公開日:2017/10/16

『家族>仕事で生きる。』(赤城夫婦/SB クリエイティブ)

「仕事こそが人生のメイン舞台だ」と日々がむしゃらに突っ走りながらも、心のどこかで「何かが違うなぁ」とモヤモヤしている……。そんな人にオススメの一冊が、『家族>仕事で生きる。』(赤城夫婦/SB クリエイティブ)だ。

 著者の赤城良典・加奈乃夫婦は、結婚と家庭、そして仕事もともに成功させる秘訣を伝授する結婚研究家。会場での講演よりも、より自由度の高いネット経由の動画配信に活動拠点をシフトさせ、今では世界40ヶ国以上、約2万人が赤城夫婦に学んでいるという。

 本書のタイトルが意味するのは、「仕事より家族な生き方」だ。著者自身の言葉で本書の目的をまずは伝えておこう。

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「仕事より家族な生き方」は仕事にまとまった時間を提供するという発想を、一度、捨ててみる生き方です。
もっと自由に働いて、大好きな人と一緒に旅をしたり、スポーツを楽しんだり、美味しいものを食べたり、笑い合ったり。そんな体験から生まれる新しい出会いやアイデアに、オープンマインドで生きる。
そんな「仕事より家族を優先させる生き方」ができることを知ってほしくて、私たち夫婦はこの本を書きました。

では、冒頭のモヤモヤとはいったい何か? 著者はその正体を「自分の気持ちと行動の不一致」と記す。例えば、自分が本当にやりたいことがありつつも、いろんな事情で今の仕事に就いているという人は多いだろう。これが気持ちと行動の不一致の典型例だ。

 すると仕事中にふと、「本当はこんなことをしてる場合じゃないのに。もっとやりたいことがあるのに」とうしろめたさを感じてしまい、それがモヤモヤになるわけだ。そこで人生においてまず大切なのは、「自分の気持ちと行動を一致させること」だと著者は教えてくれる。

 一方で、自分が本当は何をしたいかが分からない人もいるだろう。そんな人たちは、こう自問自答してみてはいかがだろうか?

「他人からの評価が一切関係なかったら、やりたいことは何?」
この問いは、自分の理想とする生き方がつかめない人にすごくおすすめです。
それと、もう一つ。
「80歳になった時、私の人生は幸せだった。なぜなら○○だったから」
この○○にあてはまるものは何かを自分に質問してみるんです。

 本書はこのように、本当の自分の気持ちを見つめることから始め、「自分が大切にしていること」をしっかりと認識するよう勧めている。というのも、それは仕事とプライベートで優先順位をつける基準になるだけでなく、人生のパートナー探しにも大いに関わっているからだ。

 著者によれば、パートナーが見つけられない原因の多くは、自分が人生で本当に大切にしたいことを決めていないからだという。本書には、パートナーに何を求めるのか、なぜそれを求めるのかを考えるプロセスを通じて、自分が最優先したいことがちゃんと見えてきた結果、理想のパートナーと出会えた人の体験談などが登場する。

 本書には他にも、結婚による「制約・制限」をいかに「創造性」へ転換させるか、SNSを活用して自分の視野・価値観を広げる方法、自分の本当の願いに正直になることの大切さなど、人生をより豊かなものにするためのたくさんのヒントが、いろんな人たちの体験談と共に語られていく。

 そして何より、「仕事より家族な生き方」は決して、リタイアに向かう際のようなダウンシフトではないというところが面白い。プライベートも仕事も、創造性と工夫でより充実させられるというそんなポジティブな生き方を、ぜひ、本書で学んでみてほしい。

文=町田光