ああなつかしい。もうひとつの『鉄人28号』

2012/2/8

鉄のサムソン (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 小学館クリエイティブ
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:横山光輝 価格:432円

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作者・横山光輝の代表作といえば『三国志』でしょうか。『魔法使いサリー』、それとも『バビル2世』? 『鉄人28号』を挙げる人もいるでしょう。

本作『鉄のサムソン』は、昭和37年(1962年)から39年(1964年)の間、小学館の学年誌『小学一年生』にはじまり、持ち上がりで『小学四年生』にて連載された、ロボットSF漫画です。

連載開始が今から50年前なので、リアルタイムの読者は、もう50代後半でしょうか。有名な『鉄人28号』連載期間とも一部重なり、ファンの間では「鉄人派」か「サムソン派」かにわかれることもあるようですが、どちらも少年がリモコン操作でロボットを操り、悪と戦います。

ちなみに「サムソン」とは、旧約聖書に登場する怪力の男であり、古代イスラエルの士師(しし)の一人。士師とは、指導者とも部族の長ともいわれますが、人々を導いたり、人を裁いたりしました。

ところで、どうして男の子は、いつの時代もロボットモノに胸をときめかせるのでしょうか。鉄人28号や鉄のサムソン、マジンガーZ、そして絶大な人気を誇るガンダム。

とかく男の子はパワーに憧れます。
ロボットのパワーは圧倒的で、人にできないことを平然とやってのけるわけです。ロボットに乗り込んだり、リモコンで動かしたりすることで、自分のパワーでは成し得ないことができてしまう。自分より力がある悪をも、たやすく懲らしめることができる。ここに、子どもが持つ勧善懲悪の欲求が満たされるわけです。

そして、主人公の成長に感動します。
ロボットを自らの力にすることで、出会いと別れを重ね、さまざまな経験をするわけですが、それらを通じて主人公は精神的に成長していきます。ここに、子どもは感動を覚え、自らの成長につなげていくのでは、と考えられます。

人それぞれ解釈がありそうですが、ロボットモノが長く愛され続けている理由には、そういった、ロボットの派手なビジュアルに隠された“深さ”が一貫して存在しているのではないでしょうか。

本作を、サムソンファンだけでなく、広くロボットファンに読んでいただきたいと思います。

主人公・のぼる少年とサムソンとの出会い

サムソンに改造をほどこす。「こぞう、おまえは やさしくて、いい子だ。」「それで サムソンは、おまえの めいれいどおり うごく」と、サムソンを譲り渡される

サムソンは、のぼる少年のもの。家族公認

操って、悪者を懲らしめる (C)横山光輝/小学館クリエイティブ