元祖怪奇ファンタジー「うしおととら」のノベライズ版第一弾!

ライトノベル

更新日:2012/3/6

ガガガ文庫R うしおととら1(上) 我は冥界に斬り結ぶ/妖美術 アート・オブ・ザ・ダークネス

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:中山文十郎 価格:216円

※最新の価格はストアでご確認ください。

使う者の魂と引き替えに、あらゆる妖怪を滅ぼすという「獣の槍」の伝承者・蒼月潮(あおつきうしお)、雷と炎を操る妖怪・とら。日本中を感動の渦に巻き込んだ名作コミック『うしおととら』のノベライズ第一弾(上)は、血を求め、手にした者の心を操る呪われた妖刀をめぐる兄妹の宿命を描いた「我は冥界に斬り結ぶ」。

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藤田和日郎さんの『うしおととら』という作品が好きなので、読みたい作品はたくさんあったのですが、記念すべき電子書籍レビュー第1弾は今作にしました! 読む前、『うしおととら』の世界観を活字表現できるのか、と不安で仕方がなかったのですが、読んでいくうちに独特の世界観が頭の中で勝手に映像化され、おなかいっぱいになりました。

今作は、オリジナルキャラクターである兄妹を軸にオリジナルストーリーが描かれています。2人の宿命など、少し暗い雰囲気ですが、ちゃんと笑わせてくれるシーンもあり、最後はうるっとさせられ、読み応えがあります。

しかし、個人的にひとつだけ不満が。それは、挿絵がなかったこと。あらかじめ廉価版なので挿絵は無いと注意書きされていたのですが…やはり残念でなりません。挿絵が一部マンガだったという噂を風の便りで聞きました。挿絵つきの方もぜひ配信していただきたいです。

さて、個人的に気に入っているシーンは「第五章 生滅(しょうめつ)」で描かれている、大妖怪であるとらが、初めて来た遊園地ではしゃぐところ。観覧車のことを「でっかい輪っか」、メリーゴーランドのことを「ぴかぴかの馬がぐるぐる回ってる」と言い、最終的には空中ブランコのように大きく揺れる船を気に入り、長い時間、船の舳先に捕まってすっかりご満悦。原作版もそうですが、とらのちょっとした茶目っ気っぷりにほわんと和みました。

初電子書籍。操作性はこんな感じ。慣れるまでいろいろと触りました

「槍が魔を葬った」という一文に思わずニヤニヤ

頭の中に藤田さん絵で文字と描写が出てきました

これから何が起こるのか…背景の描写と「寺」という字に、心臓ドキドキです