引きこもりの兄に苦しめられた弟が、人を愛する感情を取り戻す――心をえぐる、デビュー作『ひきこもりの弟だった』

文芸・カルチャー

2017/11/9

『ひきこもりの弟だった』(葦舟ナツ/KADOKAWA)  物語には2種類ある。一つは、現実ではあり得ないことが起こり、読み手の「こうなったらいいな」を描く「現実逃避」の物語。「冴えない私がクラスの人気者の○○君に告白されて」的な展開である。  もう一つは、出来事とそれに付随する人の感情を、作家の表現力と思考力で明確に... 続きを読む