貧乳と巨乳では「胸」の呼び方が違う! 金なし、彼氏なし、胸なしの現役OLのアラサーに勇気をくれる言葉とは?

文芸・カルチャー

2017/11/11

『巨乳とは仲良くできない 貧乳アラサー独身OLなかむらたまごの日常』(なかむらたまご/KADOKAWA)

 Twitterで話題になった投稿が、続々と書籍化されている昨今。そんな中、アラサーの心に深く寄り添ってくれるような一冊が誕生しました。

『巨乳とは仲良くできない 貧乳アラサー独身OLなかむらたまごの日常』(なかむらたまご/KADOKAWA)です。

 著者のなかむらたまごさんは、アラサーの現役OL。金なし、彼氏なし、胸もなしという残念な自身の日常をTwitter上で自虐的につぶやいたところ、瞬く間に人気者に! フォロワー数は10万人を突破し、今もっとも支持されているツイッタラーさんといっても過言ではありません。

 そんなたまごさんの珠玉のツイートをまとめたのがこの本です。「アラサー」「日常」「彼氏」など、9つのテーマに振り分けて収録されています。特に、第1章「アラサー」と、第4章「巨乳」は必読です。アラサーと巨乳に対するたまごさんの執念みたいなものが感じられます。

 また、名作(?)ツイートとともに、それをさらに深掘りした書き下ろしコラムが80本以上追加されているというスペシャル仕様。このコラムが、Twitter以上に共感できるので、たまごさんファンは必読です!

●リア充と非リア充は、生きてる時間軸が違う!

 収録されているツイートの中から、特に心に残ったものを少しだけご紹介したいと思います。第1章「アラサー」からはこの一作を。

歩きながらFacebook見てたら、皆が着実に明るい未来へリア充しながら向かっていることに気付き、一方私はこのまま彼氏も出来ずに一人寂しく生きていくのかと考えて辛すぎて泣いてたら、風が吹いて目の前にいた女子高生のおパンツが見れたから凄く幸せ! おパンツ最高!おパンツ最高! おパンツ最

 たまごさんの荒ぶる心の様子がよくわかる一文ですよね。Twitterの投稿文字数140字をめいっぱい使うことをモットーにしていらっしゃるそうで、最後をあえて尻切れトンボにするあたり、表現力が巧みだなと思うわけです。さてコラムでは、このツイートについての心境をこんな風に深掘りしています。

どうしてみんなはその間に恋愛して旅行してBBQしてキャンプして海に行って花火見て……誕生日祝われてプロポーズ受けて結婚して子育てについて悩み始めてるの? どうなってるの? 本当に私と同じ24時間365日で生きてる?

 SNSに充実した私生活を投稿している子に対して、たまごさんと同じように思ったことはありませんか? 筆者はあります。それも一度や二度ではありません。しかし、プライドが邪魔して今まで口に出すことができませんでした。そんな心のモヤモヤを、たまごさんが明らかにしてくれたんです! つまり、リア充とは生きてる時間軸が違う。そういうことだったんですね。それなら納得です!

●「Fかっぷらぶりーぱいぱい」への怒り

 タイトルにもある通り、たまごさんは巨乳に対して非常に厳しい目をお持ちです。本を読むと、いたるところで巨乳に対するコンプレックスをうかがい知ることができます。第4章「巨乳」からはこちらをピックアップしました。

『巨乳は自分の胸を「おっぱい」と呼ぶが、貧乳は「胸」と呼ぶ』と書かれた記事を読んで、確かに私は胸を胸と呼ぶけれども…まさかそんな…!と思って巨乳の友人に「自分の胸のことなんて呼ぶ?」って聞いたら、「Fカップらぶりーぱいぱい」って返事がきたから、巨乳とは仲良くできないと強く感じた。

 このツイートに対する反応は大きく、本稿執筆時点で確認したところ、なんと「いいね」の数が3万5000。やはり皆さんも、「Fカップらぶりーぱいぱい」に大きな衝撃を受けたのではないでしょうか。なんて言っていいかわからないけど、巨乳とは仲良くできないと言うたまごさんの気持ちがとてもよくわかります。しかし、このFかっぷらぶりーぱいぱいさんは、本書の中でたびたび登場します。仲良しみたいです。

 個人的には、こちらのツイートも好きです。

好きな人が「胸なんてどうでもいい!大事なのは脚!」って言ったから「じゃあ全く同じ脚で胸の大小だけ違う人がいたら?」って聞いたら、「それは胸が大きい方に決まってるだろ!?バカか?!貧乳は話し掛けんな!」って怒鳴られたので、必死で(きゅうりって美味しいよなあ)とか考えて意識保ってる。

 貧乳がどれだけ虐げられているかというのがよくわかるツイートですね。正面切って言われたらしんどいですが、他人事なので笑っていられます!

 普通に生きていたらイライラするような状況も、たまごさんがツイートするとなぜか心がほっこりと温まるのです。仕事や恋愛や人間関係に疲れたアラサーは、そっとこの本を開いてみてください。怒りやイライラの感じ方が、ちょっとだけ変わるかもしれません。いや、きっと変わると思います。

文=中村未来(清談社)