現実逃避? それとも… 既婚者が「元恋人」にふと会いたくなる瞬間5つ

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公開日:2017/11/15

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 水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)は、ワケありの過去を持つ主人公・菜美(綾瀬はるか)がひょんなことから主婦となり、街で起こるトラブルを解決していくストーリーです。citrusでは本ドラマの連動企画として、各放送回で取り上げる社会問題にまつわる記事を掲載。さまざまなジャンルに精通したcitrusオーサーが、ドラマをより深く楽しむためのヒントを提供していきます。

~『奥様は、取り扱い注意』連動企画 Vol.07~
既婚者たちが「元カレ・元カノ」に会いたくなるとき

<第七話あらすじ>菜美(綾瀬はるか)と優里(広末涼子)、京子(本田翼)はある日、主婦仲間・友恵(霧島れいか)に「大学時代の恋人」を探してほしいと依頼される。余命いくばくもない友恵の思いにこたえるべく、菜美は、さまざまな手を使って友恵の元恋人・幸平(渋川清彦)の居場所を探索。しかし、幸平が前科持ちであることが発覚し…。

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 今回ご登場いただくcitrusオーサーは、コラムニストのひかりさん。「元恋人」と会おうとする既婚者の心理について、ドラマのテーマにあわせながら解説します。

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■元恋人への思い、結婚前と結婚後でどう変わる?

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・パターン1:結婚したからこそ(自分が幸せになったからこそ)、元恋人を許せるようになったとき
・パターン2:周りに心許せる人がおらず、自分を理解してくれている人に会いたくなったとき
・パターン3:独身時代に戻って、現実逃避をしたいとき
・パターン4:手っ取り早く不倫をしたいとき
・パターン5:実は元恋人が“運命の人”だったことに気付いたとき

 1つずつ、解説していきます。

 まず、パターン1の「結婚したからこそ(自分が幸せになったからこそ)、元恋人を許せるようになったとき」。幸せではないとき、“自分を振って今は幸せになっている元恋人”と会って、笑顔で話せるか、というと、そんな人は稀です。振られたことの「恨み」や「悲しみ」、さらに幸せになった相手に「悔しい!」という思いもあるでしょうしね。でも、その後、自分も他の人と結婚して幸せになったとき、そんな恨みつらみはどうでもよくなります。さらに、「元カレ(元カノ)との関係で学んだことがあるからこそ、“今の自分”になり、幸せなれたんだ」と思えるようになると、「また元恋人に会って、話したい」と感じることもあります。そんなとき、近況報告も兼ねて元恋人に連絡をとろうとする人はいるでしょう。

 次に、パターン2の「周りに心許せる人がいなくて、自分を理解してくれている人に会いたくなったとき」。周りに心を許せるような人がいないと、自分を理解してくれる人に会い、心を通わせられるような会話をしたくもなるものです。やはり恋人同士でいると、友人にも親にも見せないような姿をお互いにさらけ出し、濃密な時間を過ごすもの。これは、意外と多くの人に起こり得ることでしょう。

■「現実と向き合う」女、「ロマンスを求める」男

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 パターン3「独身時代に戻って、現実逃避をしたいとき」を考えてみましょう。結婚は、恋愛のような非現実的なものではなく「生活」。特に恋愛体質の人は「独身時代に戻りたい」と思うこともあるでしょう。そんなとき思い出すのが、過去の恋愛相手だったりします。最近は不倫をする妻も増えてきてはいますが、基本的に女性は結婚すると「現実と向き合う」傾向にあります。逆に、男性は相変わらず「ロマンスを求める」人が少なくないので、このパターンは男性に多いでしょう。

 パターン4は「手っ取り早く不倫をしたいとき」。「心の浮気」程度なパターン3と違い、本気で不倫をしたい人も少なからずいます。ただ既婚者と恋愛をしてくれる人は限られるもの。ただ、男性の中には「一度Hをした女性は、またHをさせてくれるはず」だと勘違いしている人も多く、「元カノの方が、新たに出会う相手よりもハードルが低い」と考える人はコンタクトをとろうとするでしょう。

 最後のパターン5は「実は元恋人が“運命の人”だったと気付いたとき」です。「結婚適齢期」を気にして、自分が結婚したいときに恋人が結婚してくれないと、別れて他の相手と結婚する人は世の中に少なくありません。所謂、「二番目に好きな人と結婚する」パターンです。そのまま二番目に好きだった結婚相手を一番好きになればいいのですが、結婚してから、価値観の不一致などを感じると、「やはり元カレ(元カノ)の方がよかった。結婚する相手を間違えた」なんて思うこともあります。そんなとき、元恋人に会って人生をやり直したくなる人もいます。

「結婚適齢期」に限らず、頭の中の「結婚の理想像」ばかりに囚われ、好きな人よりも条件のいい人を結婚相手に選ぶ人も、結婚後にしばしば自分の選択のミスに気付きます。結局、どんなに恵まれた環境であっても、それと幸せは完全には一致しません。それだけ「人を愛する思い」というのは、価値があるものなんですよね。

■「危険」なのはパターン3以降

 ここまで「既婚者が『元恋人』に会いたくなる瞬間」のパターン5つを紹介しました。パターン1、2は、「不倫願望がある」というより、元恋人と「友人関係を築きたい」と思っていて、男女の割合で言えば、「男と女の友情は成立する」と考える傾向のある女性が多いでしょう。逆に、パターン3、4は、どちらも不倫願望が少なからずあります。これは男女で言えば、人生にロマンを求めがちな男性の方が多いかもしれません。

 ただ、全パターンの中で一番問題なのは、パターン5です。どこか心の拠り所を求めていても浮気程度なパターン4に対し、パターン5は「本気」です。男女で言えば、男性の方が結婚に「責任」を背負う分、これをする人は意外と少なく、女性の方があり得る話かもしれません。自分のパートナーを元恋人にとられないためにも、しっかり夫婦の愛情を育んでいきたいものですね。

日テレ水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』

毎週水曜22時~
<出演>
綾瀬はるか
広末涼子
本田翼
西島秀俊 ほか
<スタッフ>
原案・脚本:金城一紀
音楽:得田真裕
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:枝見洋子 松本明子(AXON)
演出:猪股隆一 ほか
製作著作:日本テレビ

文=citrus コラムニスト ひかり