「ご主人様の命令でヘルス嬢になりました」――リアル風俗嬢が語る、お仕事のやりがい

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更新日:2017/12/18

『リアル風俗嬢日記』(Ω子/竹書房)

 調教主であるご主人様の命令でヘルス嬢となった女性が描いた『リアル風俗嬢日記』(Ω子/竹書房)は、公にされることが少ない風俗の仕事と風俗嬢の「実態」がよく分かるコミックエッセイだ。

 著者のΩ子さんは、現役ヘルス嬢。「ヘルス」は本番行為禁止の性的サービスを行う風俗。Ω子さんが勤めているのは、店舗型の個室でサービスを行うファッションヘルスだ。

 書店でアルバイトをしており、どこにでもいる「地味女子」だという著者が風俗嬢になったのは、当時SMの主従関係を結んでいた「ご主人様」の命令で、「調教」の一環だったとか。

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 ちなみにご主人様は他にも複数の奴隷を抱えており、全員を風俗で働かせて売り上げは自分のものにしていたらしい(……女性もそれで満足なのだから別にいいのだけれど、スゴイ世界である……)。

 現在、Ω子さんは、そのご主人様とお別れして、自分の意志でヘルス嬢として働いている。当初は辞めるつもりだったらしいのだが、この仕事のやりがいに気づいたことで、今も続けている。

「エッチなことがしたくて風俗に行く」のはその通りなのだが、それだけではなく、寂しさや疲れを癒してもらいたい。抱きしめ合ったり、話を聞いてもらったりすることで満足感を得て、風俗に来ることに幸せを感じている……そういう男性もいるそうだ。

 ご主人様に依存していた過去があるΩ子さんは、「誰かと繋がっていたい。分かり合いたいという気持ちは私にもすごく分かるから」とヘルス嬢を続けている。

 本作、本当に赤裸々に風俗嬢の仕事が描かれていた。

 お仕事の詳細(S派とM派のお客さんでは、サービスの流れが多少変わること)や「こういうお客は困る」とか「濡れなくなった時にどうするか」「性病検査について」などなど、風俗嬢の実態が詰まっていた。

 Ω子さんが好きなお客さんのタイプは「清潔・乱暴じゃない・違反行為をしない」。仕事としてプロフェッショナルな気持ちでサービスを行っているので、顔や体形は特に気にしないそうだ。

「どんな風にされるのが好き?」なんて聞いてくる男性もいるそうなのだが、「私は本当大丈夫なんで! そろそろイってみようか!?」という気持ちになるとか(もちろん、本当に言うわけではない)。

 そして、風俗に行く男性にとって、最も気になっているだろう「感じてる演技をしてるんじゃないの?」という最大の疑問についても、Ω子さんは答えてくれている。それは……

「相手によりけり」。

 男性の技術の問題だけではなく、「相性」というのもあるらしく、下手なわけじゃないのに感じない人もいれば、相性のいいお客さんだと、すごく気持ちよくなることもあるのだとか。見た目の好みはほとんど関係がないそうだ。

 読む前は「調教主の命令で風俗嬢になった女性のコミックエッセイ」って、かなり現実離れしているし、ぶっとんでるんだろうなぁと思っていたのだが、Ω子さんがヘルス嬢を続けている理由も理解できるし、著者の視点はいい意味で「平凡」であり、常識的だったので、想像よりもずっと興味深く、共感して、面白く読めた一冊だった。

 ただ、男性方は「そんなことを考えているのか……」とショックを受けるかもしれないので、読む時はご注意を(笑)。

文=雨野裾

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