『このライトノベルがすごい!2018』はアンケート回答数過去最多!? 書き下ろし短編や特製ポスターなど豪華特典付き

ライトノベル

公開日:2017/11/27

『このライトノベルがすごい!2018』(『このライトノベルがすごい!』編集部/宝島社)

 いまが旬のライトノベルを紹介するライトノベル総合情報誌『このライトノベルがすごい!2018』(『このライトノベルがすごい!』編集部/宝島社)が11月25日に発売された。

 本誌は、読者アンケートによる人気ランキングに加え、作家やイラストレーターへのインタビュー、ジャンル別作品紹介ガイドなどを掲載し、ライトノベルの流行を読み取るガイドブックとして長年にわたって多くのファンに支持されている。

 とくに今年度は、アンケート回答数が過去最多となり、アニメ化が決まった『異世界居酒屋「のぶ」』(蝉川夏哉/宝島社)の書き下ろし短編付き、人気イラストレーター・ぽんかん(8)のポスター付きの特別仕様になっている。

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 そして注目の人気ランキングの「文庫部門」は、昨年に続き、『りゅうおうのおしごと!(GA文庫)』(白鳥士郎/SBクリエイティブ)が第1位に輝き、2年連続トップを達成した。

『りゅうおうのおしごと!』は、史上最年少で将棋界のタイトル「竜王」を獲得した16歳のプロ棋士・九頭竜八一と、弟子の天才小学生・雛鶴あいの奮闘を描いた成長物語。

 来年1月からアニメ放送も控えており、さらなる人気沸騰が予想される。本誌のランキングでは三連覇を達成すると「殿堂入り」となるシステムになっており、まさに「王手をかけた」ことになった。

 上位陣をみると、劇場版が公開された『ソードアート・オンライン(電撃文庫)』(川原礫/KADOKAWA)や、アニメが放送された『妹さえいればいい。(ガガガ文庫)』(平坂読/小学館)、『ゲーマーズ!(ファンタジア文庫)』(葵せきな/KADOKAWA)、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(大森藤ノ/SBクリエイティブ)などが並ぶなかで、ランキング初登場の新作がいくつも躍り出た。

『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-(HJ文庫)』(海道左近/ホビージャパン)は、オンラインゲームの世界を舞台に主人公レイが、プレイヤーごとに与えられる固有能力「エンブリオ」を駆使して強敵を打ち倒していくVRMMOファンタジー。web連載からの書籍化で「ポスト・ソードアート・オンライン」との呼び声も高い。

『月とライカと吸血姫(ガガガ文庫)』(小学館)は、宇宙に憧れる人間の青年レフと吸血鬼の少女イリナが、人類史上初の有人宇宙飛行を目指す青春グラフィティ。作者の牧野圭祐は、ゲーム『ペルソナ5』やドラマ『HiGH&LOW』も手掛けたマルチな才能を持ったシナリオライターだ。

 この2作品に加えて、上位にランクインした『ぼくたちのリメイク(MF文庫)』(木緒なち/KADOKAWA)、『横浜駅SF』(柞刈湯葉/KADOKAWA)が、新作Pick-Up!と題して著者インタビューが掲載されている。

 もちろん、ここで紹介した作品以外にも、人気躍進を見せた多くの作品にも注目してほしい。併設されている「単行本部門」ランキング、巻末のライトノベルジャンル別ガイドなども、作品選びのよい参考になるだろう。

 近年のラノベ業界では、ネット上の小説投稿サイトの存在感が増している。大手サイトである「小説家になろう」「エブリスタ」「アルファポリス-電網浮遊都市-」に続き、今年になって「カクヨム」からの書籍化も急増している。今年度のランキングからもカクヨム発の『始まりの魔法使い(ファンタジア文庫)』(KADOKAWA)や『横浜駅SF』などが早くも挙がっている。各サイトでの小説コンテストも盛んに行われており、業界全体のネット移行が加速しているようだ。今後の動向から目が離せない。

『このライトノベルがすごい!』編集部からダ・ヴィンチニュース読者の皆さまへ

「ライトノベル」という言葉は、ややもすれば蔑視されてしまうものなのですが、それを覆すかのようにランキング上位には「面白いもの」を目指してチャレンジしている作品が集まっています。常に進化を続けるライトノベルの分野の中で、目立って新奇なことを試し続けている作品はやはり情熱があります。ファンタジー、SF、ラブコメ、青春・恋愛……多くのジャンルに情熱を注げるのがライトノベルの良いところです。

 ライトノベルを読み続けている人、そしてライトノベルを書いている人には、巻頭の白鳥士郎さんのインタビューは心に刺さると思います。本書も「ラノベはこんなに面白いんだ!」とみなさんに伝えられていたら幸いです。ランキングや作品ガイドをきっかけに、みなさんが「面白い!」と思える作品と出会えますように。

文=愛咲優詩