飲み込む力が健康を作る! 病気を防ぐための効果的な食事のとり方とは?

健康

2017/12/4

『肺炎は「口」で止められた!』(米山武義/青春出版社)

 過度にせきが続いたり、高熱が生じて時には死に至る危険性もある肺炎。じつは、ガンや心疾患、脳血管疾患に続く日本人の死因にも挙げられるほど、怖い病気でもあります。

 昨今は肺炎を原因に亡くなる人たちも増えているそうですが、さまざまな原因がある中、人の「飲み込む力」の低下により引き起こされる「誤嚥(えん)性肺炎」を取り上げた書籍『肺炎は「口」で止められた!』(米山武義/青春出版社)が刊行されました。

 歯科医師の著者は「口は長寿の門」といいます。では、なぜ口元のケアが大切なのか。本書の内容を紹介していきましょう。

■口の中は細菌やウイルスでいっぱい!? 誤嚥は若い人も要注意!

 肺炎といえば、主な原因は細菌やウイルスによるものが思い浮かびます。そしてじつは、口の中は「温度、湿度、栄養」の三拍子が揃っていることから、細菌やウイルスにとって絶好のすみかとなっているのです。

 特に、近年は噛むための「咀嚼力」や飲み込むための「嚥下力」が低下した高齢者の「誤嚥性肺炎」が多く、身体の機能低下により誤って摂取した食べ物が肺に落ちてしまうこともあるそうです。

 本来、誤嚥とは食べ物が誤って気管に入り込んでしまい、引き起こされるものです。読者のみなさんも、何かを食べているときにふとむせてしまった経験があるかもしれません。

 食事中に大きなカケラが入り込んだ場合には気付きますが、例えば、ごく少量の飲食物であれば気が付かないこともあり、睡眠中にだ液に混ざった食べ物が入り込んでしまえば、なかなか気付けません。そのため、若い人たちにとってもけっして無視できない症状となっています。

■猫背や食後のゴロ寝も厳禁! 咀嚼と嚥下のポイント

 本書によれば、スムーズな嚥下の鍵は「咀嚼」だといいます。すなわち人間の噛む力ですが、食べ物を細かく噛み砕けるようになれば、誤って気管に入り込む不安も減り、さらに、体内で栄養素を効率的に消化吸収するのにも役立ちます。

 また、噛む力を鍛えるということは、表情も豊かにしてくれます。人間が咀嚼する場合、顔やアゴ、のど、側頭部などにある様々な筋肉が連動して動きます。そのため表情筋が刺激され生き生きとした表情になれるほか、加齢により下がる口角を保ち、美しい表情を作れるというメリットもあります。

 そして、嚥下にも気をつけるべきポイントがあります。その一つで注意すべきなのが「猫背」です。背中が丸まったままだと、アゴが自然と上がってしまい気管が開いてしまいます。そのため食事中は、背筋をピンと伸ばして美しい姿勢を心がけるのが肝心です。

 さらに、もう一つ注意すべきなのが食後の「ゴロ寝」です。食べ物をとったあと、横になってしまうと胃液や胃に入った食べ物が逆流する「胃食道逆流現象」のリスクが高まります。そのため、著者は食後はイスに座りできれば2時間、そのままの状態でおしゃべりを楽しんだりしつつ、胃の中を空にするように伝えています。

 口元のケアといえば、歯を治すなどどうしても目に見えるものに意識が向きがちです。しかし、食べ物をよく噛み、飲み込むといった当たり前のことも大切。本書をきっかけに、ふだんの食事を見直してみてはいかがでしょうか。

文=青山悠