妻から突然「離婚」を切り出された男の戸惑い

恋愛・結婚

2017/12/4

■ある日突然、離婚を言い渡されて……

「本当に突然でした。日曜の夜、夕食が終わって子どもたちも自室に引きあげたところで、妻がテーブルを拭きながら、『ねえ』と。『何?』と返したら、『離婚してくれない?』って。悪い冗談だと思いましたが、妻は本気でした」

 アキラさん(47歳)はそう言う。3ヶ月前のできごと。まさに青天の霹靂だったそうだ。

「まずは理由を聞くしかない。すると妻は『あなたのすべてがイヤになったの』って。はぁ? 数日前に添い寝したばかり。そんなにイヤなら断るだろと思いました。そうは言えなかったけど」

 それっきり、妻は何を聞いても「とにかく離婚したい」の一点張りだった。

■話し合おうとしたものの……

 その後、アキラさんは妻と話し合おうとした。20年も一緒に生活してきて、どうして今さら離婚なのか、自分が何をしたというのか。すると妻は言った。

「確かにあなたは暴力もふるわない、借金もない。それでいいと思ってるでしょ? でも私は、もっとパートナーとして一緒に歩いている感覚がほしかった。あなたは子どものことも家計のことも、なにもかも私に任せきり。自分だけ好きなように生きてきたわよね」

 専業主婦の妻が家庭を切り盛りしやすいように、アキラさんは家のことには口を挟まなかった。子どものことは任せきりと言われても、彼は出張の多いサラリーマン。そうそう学校に顔を出す時間はないのだ。アキラさんは噛んで含めるようにそれを妻に訴えた。ただ、おそらくそれは妻にとっては夫の言い訳にしか聞こえなかったのではないだろうか。本来すべきは、妻の気持ちをじっくり聞くことではなかったか。

■それでも日常生活は続いていく

 妻は「下の子が高校を出たら、私はこの家を出ていく」と言った。執行猶予期間はまだ1年あるとアキラさんは思った。そして現在も、日常生活は続いている。ただ、妻は現在、夫婦の寝室では寝ていない。必要以上の会話もない。

「なぜ豹変したのか。ひょっとしたら男がいるのではないか?」

 そう思いながらも問い詰められないアキラさん。あと1年の間に、彼は精神的に離れてしまった妻の心に踏み込むことができるのだろうか―――。

文=citrus 亀山早苗