リバウンドしない汚部屋の片づけは○○にあり! メンタリスト・DaiGo直伝のラクラク片づく心理テク

暮らし

更新日:2021/8/30

『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(メンタリストDaiGo/学研プラス)

 人はなぜ片づけられないのか。この本質を心理学的に見るなら、3つに分けられるという。

1. 選択回避の法則
2. 損失回避の法則
3. 保有効果

 人は選択肢が多くなりすぎるとモノを選べなくなる。また、人間は自分が損をすることを非常に恐れる存在である。そして、自分が一度所有したモノに、より高い価値を感じてしまうという側面を持っているのだ。このように分析するのは、メンタリストのDaiGo氏。

advertisement

 このことから、人はもともと片づけるのが苦手なのだ。しかし片づけなければ、リスクを背負うことになると知っているだろうか。DaiGo氏は片づけの究極の理由を次のように簡潔に言い表す。

「片づけ=自分のリソースを目標に向かって集中できる環境をつくること」
「片づけは、大切なことに使える時間やお金、体力や注意力を最大化します。これを言い換えれば、自分の人生を思い通りに操れるということです」

 つまり、片づけなければ、時間やお金、体力といった自分のリソースを、気付かぬうちにポロポロと失い、自分の思い描く人生を送れない。たかが片づけ、しかし長期的に見れば片づけることは、大きなメリットが得られるのだ。では苦手な片づけにどう取り組むのか。DaiGo氏の心理的メソッドに沿えば、モノであふれていた部屋だけでなく、スムーズな動線を描く収納、そして混乱した頭のなかもスッキリ片づくという。

 この度そのテクニックの一部始終をまとめた『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(学研プラス)を上梓した。

■片づけとは必要なものの見極め

 片づけられない理由は先述したように、「多すぎるモノ」を取捨選択できないからだ。なぜモノがあふれてしまうのか。その行動の裏には短絡的な「目先の利益」にとらわれた思考がある。「自分はどんな人生を送りたいのか」「自分が本当にやりたいことは何か」「自分はどんな未来を望むのか」。このような長期的視野を持てば、本当に自分に必要なものが見えてくる。

 DaiGo氏いわく、片づけとは、ただモノを減らす行為ではない。「必要なモノを見極める」ことだという。しかし、いきなり自分の将来像を思い描くことは難しい。しかしそこもクリアになる方法を伝授してくれた。名付けて「未来がはっきり見えてくる! 思考の3つのツール」である。

ツール1「理想の一日を考える」
ツール2「何をしているときが一番楽しいか」を考えてみる
ツール3「アラーム」で1時間ごとに一日の行動と思考を記録する

■理想の一日をイメージすることが片づけの第一歩

 まずは、「ツール1」を実践しよう。こんな生活ができたら最高に幸福! と思える一日を時系列に書き出してみよう。例えば次のように。

 朝:コーヒーを飲む。瞑想をする。散歩に行く。英語の勉強をする。

 次は、これに必要な道具も書き出してみよう。「コーヒーメーカー、カップ、スマホ、瞑想用アプリ、ラクに動ける服、シューズ、教材…」。こんな具合に道具リストに挙がったモノこそ自分にとって本当に必要なモノだ。

 理想の一日がなかなか思い浮かばない。そんな人は、「ツール2」を実践しよう。「何をしているときが一番楽しいか」。ここで「ゴルフをしているとき」という答えが出たとする。その次は「それだけをやっていたいのか?」とも重ねて自問してみよう。ゴルフだけしていたいと思う人は、ゴルフ中心の一日をイメージしていく。

 だがほとんどの人は、「そればかりやっていたいわけじゃない」と思うだろう。では「他に何をしたいのか?」を考えると、仕事帰りに映画を観る、料理をつくりビールを飲む、仕事でお客さんに喜ばれたときにやりがいを感じる…と、やりたいことや大切なことが見えてくるはずだ。そこであらためて浮かんできたやりたいことに、必要なモノを書き出すのもいいだろう。

 それでもあまりイメージが湧いてこない場合は、「ツール3」へ進もう。アラームが鳴る度に、どこで何をしているのかメモする。そしてそのとき「別のことを考えていなかったか」を一緒に記入すること。

 何かをしているとき、他のことを考えていた。そこからは現在の行動に満足度が低いということが見えてくる。つまりその行動は自分が本当にやりたいことではないといえる。自分が本当に望むことは、「考えていた別の何か」の中にヒントが隠れているだろう。

■「買い直し思考」を実践する

 本当に自分に必要なモノが見えてきたなら、次は不要なモノを捨てる。ここでも多くの人がつまずく。この「捨てることへの抵抗感」を乗り越えるノウハウも心理学的なメソッドを使えば、短時間に修得できる。

 例えば「いったん捨てたとしてこれを買い直すか?」と自分に問いかける。集めていたコレクション品などを、全部捨てたと仮定する。そのとき、「これは確実に買い直す」と思うことができるかという、「買い直し思考」を実践してみよう。

 また「長期旅行に持っていきたいモノか?」との問いも有効だ。旅に出ると意外と最小限のモノで暮らせると感じられるだろう。旅に出たつもりで、もしくは本当に長期旅行に出かけてみるのも片づけのヒントとなる。

 その他にも、「理想の部屋をつくる! エリア別・片づけの鉄則5」「迷わない人生を生き、人生を最大化する8週間プログラム」など、心理面からアプローチした片づけ方法が本書には満載されている。

 この本を読めば、気がつくだろう。快適に暮らせないのは収納が少ないからでも、怠けグセがあるからでもない。「必要なモノ」が見えていない、見る目を養えていないことが最大の原因で、そしてその障壁をつくり出しているのは自分であると。

 片づけとは、自身との深い対話の結果、完成するのだ。この年末年始は、まさに片づけに着手する最適なタイミング。「頭脳環境ダイエット」を駆使したDaiGo氏のメソッドを知り、あなたの人生を有意義なものにしよう。

文=武藤徉子