マツコ・デラックスがみんなに愛される理由

エンタメ

2017/12/18

『たった一言で人を動かす 最高の話し方』(矢野香/KADOKAWA)

 もし、どんな相手にでも「また会いたい」と思われたら、人生はうまくいくと思いませんか? 
「また会いたい」と思われたら、好感を持ってもらえたということ。仕事でも恋愛でも友人関係でも家庭でも、思い通りの人生を手に入れられるかもしれません。

 私は今までいろいろな人と会ってきました。そのなかで「また会いたい!」と思う人と、そうでない人がいることに気がつきました。
 その人たちにはあることが共通していたのです。
 もちろん、自分との相性や外見、年齢や性別も関係しますが、それだけではありません。

 その「あること」とは何なのか。『たった一言で人を動かす 最高の話し方』(矢野香/KADOKAWA)によると、それはしゃべりの「間」だったのです。
 普通、「間」でそんなに人の印象が変わるとは思いませんよね。
 でも、会話の「後味」が変わるのです。

 どんなにおいしい料理でも、食べた後に胸焼けがして気持ち悪くなったら、また食べたいとは思わないでしょう。それと同じで、会話の後味が悪いと「また会いたい」とは思いません。
 世の中には、冗談を連発してその場は盛り上がっても、また会いたいと思えない人もいます。流暢なトークをしていても、話がまったく記憶に残らない人もいる。話が長―い人と会った後は、気疲れしてしまいます。
 そこそこおいしい料理でも、記憶に残らないとまた食べに行きたいとは思えません。

■マツコ・デラックスは餅つきの達人!?

 本書ではコミュニケーションは「餅つきのようなもの」と説いています。杵でペッタンとお餅をつく人と、お餅を「ホイッ」とかき混ぜる人の間合いがピッタリでないと、おいしいお餅はできません。
 餅つきのように、相手の話の合間にうまくタイミングを合わせて相槌を打つのが、「間」を使った聞き方です。

「自分も何か話さなきゃ」と思うと、相手と話がかぶっちゃったりしますよね。これだと互いにペッタンとお餅をついているようなもの。相槌を打つにも、絶妙なタイミングというものがあるのです。
 たとえば、マツコ・デラックスさん。テレビでは見かけない日がないほどレギュラーを抱えているのは、会話の餅つきが上手だからかもしれません。

 マツコ・デラックスさんは一言話すたびに「間」をとって相手の反応を確かめるので、相手は自然に相槌を打てます。しかも早口ではないので、相手も会話に参加しやすい。その間合いが上手なので、トークも弾むのでしょう。視聴者からも人気が高いのは、「また会いたい」と思われるキャラクターだからじゃないでしょうか。

「『間』を使った聞き方なんて難しいのでは?」と思うかもしれませんが、本書で紹介する方法は、どれもすぐにできるものばかりです。
 私は、「会話は餅つき」をイメージするようになってから、話を聞きっぱなしになることが減りました。リズムよくお餅をつくには相手の呼吸を読むのが大事です。そうすれば自分の話の比率をあげられるので、リズムよく餅つきをできるのです。

 そのためにも「間」で相手の息(呼吸)を読むのは大事。
 同時に、自分が話すときも餅つきの掛け合いを忘れないこと。話の区切りで「間」をとると、相手との会話がリズムよく弾むのです。

■「間」で7:3のバランスを取る

 コミュニケーションでは「7:3の法則」が大事だとよく言われます。7割相手の話を聞いて、3割自分の話をするという意味です。
 会話の後味の悪い人はたいてい7:3が逆転して、自分の話7割、相手の話3割になっています。なかには、自分の話が9割、相手の話1割の人も。

 でも、相手の性格が変わらない限り、その比率は変えられないと思うでしょう。
 それを変えるのが「間」なのです。
 ダラダラ話しがちの人は、息が切れるところで一文を終わらせる習慣をつけると、短く的確に話を伝えられるようになります。これを「一文一息」というそうです。「間」を取りやすくなる話し方ということですね。

 一文一息はスピーチの時にも武器になります。マーク・ザッカ―バーグ、孫正義、小泉進次郎といった世界の一流の人たちは、自然と一文一息でスピーチしているそう。だから人の心を動かせるんです。
 これから年末にかけて、忘年会などスピーチする機会が増えるかも。仕事でも合コンでも、一文一息や「間」は役に立ちます。きっと「また会いたい」と思ってもらえる人になれるでしょう。

文=大畠利恵