あそびは脳を鍛える! とことんあそんで頭のいい子に育てよう

出産・子育て

2017/12/20

『頭のいい子が育つ あそび図鑑』(久保田競:総監修/主婦の友社)

 子どもと一緒にいる時間をもっと充実させたい。でもなにをしたらいいのか分からない? そんな親子にぜひお届けしたいのが、「あそびの図鑑」です。図鑑といってもただあそびを紹介しているのではありません。「頭のいい子」が育つあそびです。

 バブル崩壊後、日本は激しい変化がありました。この劇的な環境の変化を受けて、どんな状況でも強くたくましく生きていく力を身につけて欲しいと思っている親はたくさんいます。
 久保田先生は40年以上前から、乳幼児の「育脳」を提唱し、数々の子どもの脳の発達を促す「クボタメソッド」を編み出した人物。随所に「クボタメソッド」がちりばめられています。

■頭のいい子は「前頭前野」を鍛えるべし

 けれども「あそび」と「地頭」ってどう関係があるのでしょう。久保田先生は次のように語っています。

「ちょうどおでこの裏のあたり、大脳皮質の前方に『前頭前野』と呼ばれる領域があります。人間の行動は『前頭前野』でコントロールされていて、集中力、思考力、計算力、記憶力、決断力などは、どれも前頭前野の働きです。ですから、頭のいい子に育てたければ、前頭前野をよく鍛えればいいのです」

「あそび」は、勉強の反対語と思われがちですが、勉強だけが頭を鍛えるのではないのです。例えば、おりがみや、あやとり、工作。これらは、「手・指・目」の共同作業なのです。おりがみなど、手を使うあそびをすると、脳の神経回路が密になり、脳を流れる情報量が増加。つまり頭の回転が早くなります。

 また、工作で「どんな形になるのか?」と完成形をイメージしながらものをつくる経験は、「ワーキングメモリー」を鍛えます。ワーキングメモリーとは、短期記憶を脳の働きで、この能力が鍛えられると、高次な意思決定をする「前頭前野」が発達するそうです。

 前頭前野が発達すると、勉強を覚えることはもちろん、集中力を発揮したり、体の協調性を養ったり、周囲をよく見る観察眼など、人としての能力全般が磨かれます。それが幼少期なら、なおさらとのこと。

「前頭前野が最も発達するのは小さいころ。楽しい刺激の方がどんどん発達しますから、前頭前野を鍛えるなら、脳を育てるのにふさわしいあそびを選んで、楽しくあそばせることがいちばんなのです」

■23種類の能力を育む

 では、どんなあそびが脳を鍛えるのでしょう。「あそび図鑑」には、「あやとり、楽器、おえかき、伝統あそび、脳トレ、手あそび、屋外あそび、運動、手品……」と、数え切れないほどの遊びが紹介されています。手を使って、体を使って、五感を使うあそびが満載。

 しかもすべてのあそびには、「あそびを通して伸びる子どもの力」がインデックス形式で表示されています。集中力・協調性・思考力・コミュニケーション能力・バランス感覚・持久力……などなど。いずれも子どもの成長に必要な力です。

 どのあそびも、子どもにとって新鮮で引きつけられるでしょう。しかし、この図鑑をうれしく思うのは、お子さんだけではないはずです。
 目次を見ると、「ひとりあそび」「ふたりあそび」「みんなあそび」と章立てされています。さらに「屋外あそび」「室内あそび」の分類もあります。

 例えば雨降りの週末に、子どもと室内でどうあそべばいいのか困ったなら、この本の「室内あそび」を参考にすればいいのです。人数を選べるところも秀逸です。
 子どもに少しおとなしくして欲しいときは「ひとりあそび」の方法を教えて、ひとりで楽しんでもらいましょう。
 もちろん気をつけたいあそびには、「大人への注意書き・補足」が記してあるので、リスク管理もバッチリです。

■今どきのあそびもたっぷり

 この本は本当に様々なジャンルがひとつにまとまっています。例えば、「セッセッセーのヨイヨイヨイ♪」ではじまる「オチャラカ」という伝統的手あそび。また「ババぬき」などのカードゲーム類など、懐かしいレパートリーも数多く収録されています。
 けれどもその一方で、カメラを使った「トリックフォト」というような、今どきのあそびもあり、今までありそうでなかった一冊だといえます。

 子どもが大好きなスマートフォンやタブレットのカメラで、巨人になったり、こびとになったりする方法が書いてあります。このあそびを通して「相続力」「思考力」「表現力」が身につくそうです。


 また男の子に人気の科学的要素を取り入れたあそびも。手品のジャンルで紹介されている「水がこぼれないビニールぶくろ」では、摩擦熱を利用したトリックを紹介。こどもの「どうして?なぜ?」と考える力が強化されそうです。


 保育園や幼稚園、学校では習わない、目新しいあそびは子どもにもウケがいいはずです。

 そしてこの本のつくり手のこだわりを感じるのが、付録のシールやページの部分。なんとページ下は、パラパラ漫画としても楽しめます。さらに表紙カバーの裏にはおおきな「すごろく」が描かれており、手に取るだけで楽しくなる図鑑なのです。

 子どもともっとあそびたいという人。また入園・入学、誕生日のプレゼントにも。3歳以上のお子さんがいる家庭にあれば絶対に役立つ一冊です。あそびで子どもの能力を引き出してあげましょう!

文=武藤徉子