ふたりの歴史がセックスの悦びを高める! 夫婦だからこそできる最高のセックスとは?

恋愛・結婚

更新日:2018/1/15

『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法(イースト新書)』(おおたとしまさ/イースト・プレス)

“セックスレス”という言葉が普及してから、もう何年も経つ。日本がセックスレス超大国であるという事実は以前話題になったが、この問題は今なお深刻な状況だ。「相手とセックスをするかしないか」の選択は勿論個人の自由ではあるのだが、夫婦のような一対一の肉体関係の契約を結ぶ状況になると話は厄介になる。片方が「したい」と考えていても、もう片方が「したくない」と思い、意見が割れると結論が下せないからだ。結論が下せない場合、その夫婦のとる行動は結果的に「しない」となる。夫婦間の「セックスする、しない」の選択は一見フェアなようで実は相当アンフェアな問題でもある。

 この「するorしない理論」は、双方の気持ちを重要とするセックスに関してはかなり厳しい現実を生み出しているのだ。出口の見えないセックスレス問題に立たされている日本中の夫婦にお薦めしたい1冊がある。『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法(イースト新書)』(おおたとしまさ/イースト・プレス)だ

■セクシーな下着は逆効果!?

 セックスレス状態の夫婦において、妻が夫の気を引くためにエロティックな下着を身につけるという作戦はよく耳にするが、それは180度間違った努力だと著者は指摘する。もし夫がそういった非日常を求めているのであれば、それこそほかの若い女性を口説いているほうが楽しいのである。日常を無視して非日常で満たされた人は、さらなる刺激を求めて彷徨いはじめる。これは危険だ。それでは、この夫婦にはどういったセックスが望ましいのか。

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 著者はセックスを、「非日常のセックス」と「日常のセックス」の2つに大きく分ける。若い頃のセックスはほとんど「非日常のセックス」であり、例えば、「この子、ベッドの中ではどんなになっちゃうんだろう」という好奇心から生み出されるような性交である。夫婦が目指すべきはこれとは違う「日常のセックス」であると著者は説く。セックスという行為自体を求めるのではなく、体中で、ほかの誰でもない結婚相手こそを感じたいという欲求が大切で、テクニックよりも思いやりが、新鮮さよりもふたりの歴史が、セックスの悦びを高めてくれるのである。この「日常のセックス」の境地に達することができるかどうかは、年を追うごとに夫婦のセックスが廃れていくか進化していくかの大きな分かれ目なのだ。

 今年の新語・流行語大賞のトップテンに輝いた「35億」。勿論これは、この地球上に存在する異性の総数である。そんな35億人の中からたった一人、自分のすべてを受け入れると約束してくれた、老いても病んでも逃げないと約束してくれた、奇跡のような人間こそがあなたの結婚相手なのだ。そんな相手のすべてを受け入れようという覚悟が本当にできたとき、夫婦は真の“かけがえのない”関係になる。そこで味わう「日常のセックス」は、「非日常のセックス」では絶対に到達することができない極みに夫婦を導いてくれるのである。

文=K(稲)