パーティにぴったり♪ 思わず“魅せたくなる”おかずで、食卓を華やかに!【作ってみた】

食・料理

公開日:2017/12/23

『切り口ひとつで美味しく見せる 驚きの魅せレシピ』(市瀬悦子/家の光協会)

 料理の美味しさは、味そのものももちろん重要ですが、盛りつけ方によってもより美味しく見えたりしますよね。そして、ここ最近はインスタ映えを狙った断面が可愛かったり鮮やかだったりするものが人気だったりします。こんなブームの影響もあって、『切り口ひとつで美味しく見せる 驚きの魅せレシピ』(市瀬悦子/家の光協会)では、普段の食卓だけでなく、イベントなどでも使える“思わず魅せたくなる断面”にこだわったレシピがたくさん紹介されています。また、断面をより魅力的に魅せるための盛りつけワザや、料理ごとに☆印で難易度も表示されているので、自分の力量にあったものを探しやすく、作ったものは自信を持って食卓に並べることができますよ。そこでこの中から、難易度が比較的優しい3品を実際に作ってみました。

■3色のくるくるが可愛らしい「ハムたまキャベツロール」(P.28)


 薄焼き卵にハムを並べて巻きます。これを、ゆでて柔らかくなったキャベツの上にのせて巻きます。最後に等分の輪切りにし、皿に盛って、マヨネーズ、マスタード、牛乳を混ぜ合わせたソースを添えれば完成です。

 1品目は、食材を巻くだけでできる難易度1レシピです。キャベツ、ハム、薄焼き卵という組み合わせは、細切りにしたものを混ぜ合わせてサラダにすることはありましたが、形を変えて巻くだけで、こんなにも可愛らしいロールサラダになるとは思ってもいませんでした。しかも、身近な食材でも巻くことでぐーんときちんと感が出て、立派なパーティー仕様に。食べる時にお箸で持っても形が崩れず、口まで運びやすい! 実際ソースをつけて食べてみると、いつものサラダよりなぜか上品な味わいで、気がついたらあっという間に完食していました。

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 ちなみに、このような丸い形の料理は、四角い皿になんとなく四角く盛ることでバランスがよくなります。また、大皿にキュッとひとまとめにして盛り、ソースを入れた小皿を横に添えるのも、レストランのような盛りつけに魅せるテクニックの1つだとか。

■鮮やかな色が断面を華やかに彩る「かぼちゃとベーコンのガトーインビジブル」(P.50)


 ボウルに溶き卵、牛乳、マヨネーズ、塩、こしょうを入れて泡だて器で混ぜ、ふるった薄力粉を加えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。オーブンシートを敷いた丸型に、かぼちゃを平らに並べ、その上にオリーブを円になるように並べます。ここに先ほど作った生地の1/3を流し入れます。続いて、ベーコンを平らに並べ、残った生地の1/6ほどを流し入れ、さらに赤パプリカ、残った生地の順に入れます。そして、ピザ用チーズと粉チーズを上にのせたら、170℃に余熱したオーブンで60分ほど焼きます。焼き上がったものを放射状に切り分ければ完成です。

 2品目は、今年ブームになったガトーインビジブルをかぼちゃ、ベーコン、赤パプリカ、オリーブで作った難易度2レシピです。名前だけ聞くと、作り方がとてつもなく難しそうに思えますが、いざ作ってみると、切った材料と生地を交互に型に入れて焼くだけという、とってもシンプルな作り方でした。でも、切って断面を見てみると、この層はどうやって作るの!?と驚かれるような、彩り鮮やかな美しい層ができていて、作った方は得をした気分に。食べてみると、チーズやベーコンの塩気、かぼちゃやパプリカの甘さなどが上手く組み合わさっていて、子どもから大人まで楽しめるボリューム満点な一皿でした。中に入れたオリーブは見た目も味もインパクト◎。ちなみに、1つ1つ盛りつける時には、この断面がしっかり見えるようにするため、小さめの白い洋皿にめいっぱいのせるのが美味しく見せるポイントだそう。

■ただ重ねるだけでオシャレな「ニース風グラスサラダ」(P.66)


 グラスに、ゆでたじゃがいも、いんげん、ツナ、ミニトマト、ゆで卵、オリーブの順に重ね入れます。そこに葉物野菜を立て、最後に、たたいたアンチョビ、オリーブオイル、白ワインビネガー、塩、こしょうを混ぜ合わせたドレッシングを上からかければ完成です。

 3品目は、細かく切った食材を、グラスに重ねて入れるだけの難易度1レシピです。イベントなどでサラダを前菜として出す時、大皿に食材を盛って、自由に自分の取り皿に取ってもらうスタイルにすることが多いですが、野菜がお皿から落ちたり、細かい野菜は食べにくかったりと、いろいろ悩むところがありました。でも、このサラダなら、すでに1人分がグラスに入っていて、取り分ける必要がないのでこぼれる心配もなく、食べる際にはフォークで食べるので食べやすかったりと、作る方も食べる方も嬉しいスタイルです。

 また、色とりどりの食材がグラスに入っているので、置いてあるだけでもオシャレ。実際に食べてみると、アンチョビの塩気とコクがきいたドレッシングが食材に絡み、シンプルだけれどリッチなサラダになっていました。いろいろな食感も楽しめて、まさにサラダの宝石箱のよう。ちなみに、ここでは重なり具合を見せるために透明のグラスに入れ、食べやすいように柄の長いフォークを添えるのがスマートです。

 この3品以外にも、パウンド型に材料を詰めて切るレシピなど、パーティー映え、インスタ映えする料理がたくさん紹介されています。どれも見た目は華やかなのですが、作り方はシンプルなので、ちょっと作ってみようかなと思えるものばかりです。

■今や料理は盛りつけ方だけでなく、“断面”も重視される時代へ

 今までは料理教室や料理番組でも、盛りつけ方が重視されてきましたが、SNSの発展により、近年ではこれにプラスして切り口である“断面”が重視・評価されるようになってきました。料理が苦手な人にとっては、作るだけでも大変なのに断面まで気にしていられない! という人もいると思います。でも、本書では断面が美しい料理ばかりが手軽に作れるようにわかりやすく紹介されているので、自信を持って“魅せたくなる”料理を作ることができます。イベントごとが増えるこれからの季節に、見た人が喜ぶような魅せ料理を作ってみませんか?

文=JUNKO