マッカーサーが驚愕した昭和天皇の言葉…マンガで描かれる、波瀾万丈という言葉では表せられないほどの濃密な生涯『昭和天皇物語』

マンガ

公開日:2018/1/6


昭和20年9月27日。天皇裕仁はGHQ最高司令官マッカーサーと二人だけの会見を行う。

マッカーサーは、天皇裕仁が命乞いに来たのだと思っていたが、そうではなかった。
その真意を知ると驚愕し、後にこのように述懐する。

物語は幼年時代へ。命の大切さを説く養育掛の足立タカとの出会い。

将来は天皇となる少年に、どのように道を示すべきか。
御学問所総裁・東郷平八郎と、倫理・帝王学教師の杉浦重剛の意見は時に対立する。

多くの大人たちの思いをのせ、そしてまた、自分が特別な存在であることに戸惑いながらも、未来の天皇は成長していく。

 GHQ最高司令官・マッカーサーと撮影された有名な写真がありますが、その後に二人だけで行われた会見に臨むところから本作は始まります。
 そこで明かされる昭和天皇の決死の言葉はマッカーサーだけではなく、読み手の心をも揺り動かす重みがあります。この言葉がなければ、日本の昭和史は大きく変わっていたかもしれません。
 自身の名のもとに行われた戦争と敗戦。復興から高度経済成長期、そしてバブルと続いた激動の時代を、何を考え、どのようにご覧になっていたのでしょうか。

 本作を手に取った時、まずはマンガで昭和天皇が描かれているということに衝撃を受けます。しかし、一度ページをめくれば一人の人間として描かれる昭和天皇の物語に一気に引き込まれます。
 こんなにも、作り手の「魂」を感じる作品はなかなかありません。

 時代としては過去になりつつある昭和ですが、今生きている日本人の多くが昭和生まれであることを考えれば、まだ終わっていないとも言えます。
 昭和とは、一体どんな時代だったのでしょうか。そしてこの時代を象徴する存在であった昭和天皇はどのような人生を歩まれたのか。
 是非多くの方に読んでいただきたい作品です。

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昭和天皇物語
レーベル:ビッグコミックス
出版社:小学館
著:能條純一
原作:半藤一利
脚本:永福一成
監修:志波秀宇
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(C)能條純一・半藤一利・永福一成・志波秀宇/小学館