「この世は全て望み通りで、あなたは既に幸せだー」神さまとの対話を通して人生の価値観がガラリと変わる、20万部突破のベストセラー!

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公開日:2018/1/2

『神さまとのおしゃべり』(さとうみつろう/ワニブックス)

 2017年10月に出版された一冊の本が、飛ぶように売れている。真っ黒な表紙に、帯には“劇薬につき取扱注意”の文字。悪魔のささやきが人生の価値観を変えると話題の『悪魔とのおしゃべり』(さとうみつろう/サンマーク出版)だ。

 ここまで読んで、ピンときた人も多いだろう。そう、この『悪魔とのおしゃべり』、2014年に出版されて20万部突破のベストセラーを記録した“あの本”の続編なのだ。

“あの本”の正体は『神さまとのおしゃべり』(さとうみつろう/ワニブックス)。人生に不満を持ち、仕事をサボることばかり考えていたダメダメサラリーマンの主人公・みつろうが、ある日出会ったおしゃべりな神さまとの対話を通して幸せを手に入れようとする、実用エンタメ小説だ。「幸せになりたい!」「もっとお金持ちになりたい!」という誰もが抱く願望を次々に口にするみつろうと、その浅はかさを時に罵倒しながら教えを授けていく神さまとのコミカルなやりとりが爽快で、多くの読者の共感をよんだ。新作『悪魔とのおしゃべり』を手に取る前に、改めて神さまの重要な教えを振り返ってみよう。

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・この世は全て、あなたの望み通り

 本の全編を通して語られる、神さまからの大切なたった1つの教えは、願いは1つ残らず目の前に叶っており、全ての人は既に幸せだということ。みつろうは“チェックマン”と呼ばれる細かい上司と一緒に働きたいなんて絶対に願っていない、と反発するが、神さまに言わせると、この上司の存在は「仕事はスピーディにしたい」、そして「仕事は丁寧にするべき」というみつろうの相反する願いの表れなのだそうだ。「もし、『現実』に、不満があるなら、願ったお前たちが『自分の願いである』ことに気づけていないだけ」だと神さまは言う。

・鏡は先に笑わない

「『現実』が鏡なら、鏡に対して行ったことは全部本人に跳ね返ってくる」というのが神さまの理論。みつろうは前を走るのろまな車に苛立ちクラクションを鳴らすが、鏡(現実)が先に笑わない以上、こちらが「どう思うか」という解釈を先に変えて、先に笑うしかない。考えが変われば、ただの鏡である「現実」はあとを追うように自動で変わる。

・答えがどっちでもいいから、あなたは今日も悩んでいる

 1つの選択肢や、圧倒的にやりたいこと(やりたくないこと)を前にして、悩める人間はいない。どっちが答えになっても困らないのに、人は悩み、決められないことに苦しんでいる。神さまのアドバイスは、「悩んだら、すぐに悩むことを止めなさい。悩もうと、悩むまいと、どっちみちあなたは幸せになれるはずじゃから」。

 それぞれの教えの末尾には「宿題」もあり、その一つ一つをこなしていけば読者の幸せの定義や価値観はがらりと変わるはずだ。ダメダメサラリーマンだったみつろうも、「他人に勇気を与える仕事をしたい」という夢を思い出し、物語の終盤では脱サラして神さまからの教えを多くの人に伝える旅に出る。

 『神さまとのおしゃべり』から3年。最新作の『悪魔とのおしゃべり』は「正しさを疑うこと」がテーマだという。対極の存在に思える神さまと悪魔から、あなたはそれぞれどんな学びを得るのだろうか。ぜひ2冊まとめて楽しんでほしい。

文=佐藤結衣