『魔女の宅急便』には幻のラストシーンがあった!? 鈴木プロデューサーが明かす魔女宅の裏話【ターニャの映画愛でロードSHOW!!】

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更新日:2020/5/11

■誰にでもある「原点のとき」

 明けましておめでとうございます! 金曜ロードSHOW!プロデューサーのターニャですー☆

 みなさま、お正月はきちんと休めましたかー? 私ターニャは19歳まで過ごした神戸の実家などでゆったり過ごし、自分が育った環境の「原点」を感じながらのリフレッシュ休暇となりました。

 原点を過ごした時間や場所って誰にでもありますよね? それは部活漬けの高校生の日々かもしれませんし、ある人には大学時代に暮らした一人暮らしのアパートかもしれません。あるいは小学校に入る前から続けているスポーツクラブ……という方もいるかもしれません。

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 いずれにしても「原点となるとき」や「場所」は成長して大人になった後、追体験できる映像などを見たり、その場所に戻ってくると、なんらかの力やエネルギーを与えてくれるものです。どうしてこんな話をするかというと、本日よる9時放送の『魔女の宅急便』は、キキという思春期を迎えた小さな少女の「原点」となるであろう成長の日々を描いているから。それは一人前の魔女になるため、大人になるための修行生活なのです。

■『魔女の宅急便』=宮崎駿監督が描く“思春期”

 スタジオジブリの鈴木プロデューサーによると、宮崎駿監督は『魔女の宅急便』の監督をすることになった時、テーマについて悩んでいたそうです。ある日2人が打ち合わせのために長時間街を歩き、疲れて入った喫茶店で宮崎駿監督が鈴木プロデューサーに言ったそうです。「この映画で何をやったらいいの?」と。その問いに対して鈴木プロデューサーは「宮さん(宮崎駿監督)は正面から思春期ってやったことないですよね」と答えたそうです。すると監督はペンを取り出し、大きなリボンを描き言ったそうです。「これが思春期です。このリボンが少女を守っている。思春期ってそういうものでしょ」と。

「魔女の宅急便」 (C)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 こうして頭に大きな赤いリボンをつけた主人公キキが生まれたんですね……。この話を鈴木プロデューサーから直接伺った時、名作の重要な要素が決まった瞬間というのは、かくもシンプルなのか、と驚いたものです。

 また、宮崎駿監督にしか描けない少女の思春期、というものがどのようにして肉付けされていったのか感動を覚えました。鈴木プロデューサーは今回、『魔女の宅急便』制作時を振り返り、「宮さんは抽象的な概念で思考しない人だからすべてが具体化する」とした上で、2つのシーンが「宮崎駿監督が描いたキキの思春期」だと語ってくれました。