100円からでも大丈夫。不安な時代に『貯金ゼロ・知識ゼロ・忍耐力ゼロからの とってもやさしいお金のふやし方』

暮らし

2018/1/18

『貯金ゼロ・知識ゼロ・忍耐力ゼロからの とってもやさしいお金のふやし方』(竹川美奈子/朝日新聞出版)

「お金を増やしたい」。そう思っても、まったくはじめての人にとって、「投資」はハードルが高く感じられるかもしれない。「ギャンブルのようなものなのでは?」「お金に余裕がないと……」と手を出せずにいる人も多いはず。しかし、『貯金ゼロ・知識ゼロ・忍耐力ゼロからの とってもやさしいお金のふやし方』(竹川美奈子/朝日新聞出版)によると、投資は今、非常に身近なものになっているという。投資信託という商品を使って積み立て投資をすれば、100円や500円といった少額からでも始めることができるらしい。

 だがもちろん、何も知らずにやみくもに手を出すと、大きく損をするリスクもある。重要なのは、短期間で利益を出そうとせずに、本業でしっかり稼ぎながら長い時間をかけて資産を形成していくこと。本書では、そのやり方が完全素人にも分かりやすく紹介されている。

■お金の増やし方をシンプルにする「しくみ化」の秘訣!

 まず、投資におけるお金の増え方は「元本×運用利回り×時間」で決まるということを頭に入れておこう。

「元本」とは、貯蓄や投資に回せるお金のこと。まずは、しっかり稼いで、ムダな支出をおさえることが重要だ。

「運用利回り」は、年に何パーセントで金融資産を運用できたか、ということ。利回りを大きくするには、かかるコストにこだわろう。運用のコストというのは、まず手数料、そして税金も含まれる。利益が出た時に税金がかからないように、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や、2018年から始まった「つみたてNISA」をうまく活用しながら投資をすると、同じ利益でも受け取れる額に大きな差が出る。本書では、この「iDeCo」や「つみたてNISA」についても詳しく解説している。

「時間」は、運用を行う時間のことを指している。お金を増やすために大切なことは、「後回し」にしないこと。お金に余裕ができたら、ではなく、先に決めたお金を差し引いて残ったお金で生活する。そのためには「しくみ化」してしまうのがいいそうだ。効率よく、できるだけ労力とコストをかけない形で日常に組み込み、最低限の手間で投資をしていくのだ。

 つまり、「なるべくたくさんのお金を貯蓄や投資に振り向け、」「収益が向上するように工夫し、」「長い時間をかけて資産形成を行なう」ということがとても大切だ。

■”4つのポケット”を使い分けて、ゆるく投資と付き合う

 では、これらを実践するための「しくみ化」は、具体的にどのようにすればいいのか。それには”4つのポケット”がオススメだという。4つのポケットとは、「生活用」「貯蓄用」「プール用」「投資用」の4つの口座のことで、毎月の収支を確認するもの、万一のため、中長期用に貯蓄するもの、1年以内に使うお金をプールしていくもの、運用し、長期的に増やしていくもの、のように使い分けていく。

 まずは、貯蓄用のポケットに6ヶ月~1年分の生活費を貯める。大変かもしれないが、不測の事態に対してのリスク管理は必須事項。お給料から自動で天引きされるようにしておくと、余裕がない人でも貯めやすいとのこと。貯まったら、次はプール用のポケットに1年以内に使うことが分かっているお金を入金する。プラスで数万~10万ほど上乗せして入れておくと、急な出費にも対応できるのでより安心だ。ここまでできてようやく、投資用のポケットで積み立て投資をスタートする。

「〇ヶ月で〇〇万円貯める」などの派手な文言で注目を集める手法もたくさん出回っているが、ハイリターンにはハイリスクがつきもの。知識のない素人が手を出すと、痛い目に遭う可能性も高い。それを悪いとは言わないが、この『貯金ゼロ・知識ゼロ・忍耐力ゼロからの とってもやさしいお金のふやし方』のように長期的に見ながらゆるく投資と付き合う方が、本業に差し支えなく安全に運用できる。投資に不安や怖さを感じている人にとって、本書が投資とギャンブルとは違うということ、きちんと身の丈に合った運用していけば怖くないということを知って、将来に向けて動き出すきっかけになってくれれば私も嬉しい。

文=月乃雫