見た目年齢の決め手は腸にあり! 腸力をアップさせる食材選びと食事法の秘訣

健康・美容

2018/1/21

『老いない人は何を食べているか(平凡社新書)』(松生恒夫/平凡社)

 年齢を重ねるほど、見た目に差がついていくものだ。信じられないほど若さをキープしている人もいれば、実年齢以上に老け込む人もいる。

 普段から食事や生活習慣に気をつけてアンチエイジングを心がけている人や、不摂生ながらも若さを維持したい人にとって、『老いない人は何を食べているか(平凡社新書)』(松生恒夫/平凡社)は、まさに聞き逃せないテーマの本。

 消化器内科医と大腸専門医としてキャリアを積んできた著者は、多数の患者の診察経験から“見た目の老化度と腸の状態”の相関に気づいたという。腸の具合が悪い人の多くは、実年齢以上に老けて見えたからだ。

 一瞬ギョッとさせられるが、どうやら腸の状態を良くしない限り、どんなに肌表面をケアしても“若見え”は難しいことになる。

 そこで著者が着目したのは、普段の食生活。老いない見た目の人は何を食べているのかと、まず一考するのが、70歳を超えてもエネルギッシュに活動する世界的ミュージシャンの2人。

 ポールマッカートニーは徹底したベジタリアン食を25年以上続け、ミックジャガーは長年続けてきたストイックな筋トレのほかに、今や著名なベジタリアンとしても知られるようになった。両者とも、キレのあるステージパフォーマンスは衰えを見せない。

 同様に、見た目が若い日本人の活動家も何人か挙げ、彼らの日々の献立とその食材の効用を細かに解説。以上の全員に共通するのは、野菜や果物をたくさん食べていることだった。

 このことを、腸内環境の面から多角的に掘り下げていくのが、本書の主なテーマ。腸は人体最大の免疫器官であり、食事の内容がいかに腸の健康を左右するかを、様々な事例を挙げながら解説している。

 その一つが、発酵食品の働きであり、鍵となるのは、含有する「植物性乳酸菌」。著者が、便秘の患者たちに植物性乳酸菌を摂取させた結果、腸の老化予防に繋がることが判明したという。

 便秘薬の成分と腸の病気についての相関や、ひいては老化との関係についても言及し、安心して飲みがちな漢方製剤も、腸にとっては負担になる可能性があると指摘。その代わり、腸にダメージを及ぼさない便秘薬の成分について、具体的に明かしている。便秘で悩む人が多いだけに、知っておいて損はない情報だ。

 著者いわく、「腸管の免疫機能を維持することが病気への抵抗力を強め、加齢にブレーキをかける」とのこと。つまり、見た目の若さを維持したければ、「病気になりにくい体作り」を意識することが不可欠なようだ。

 これらの見地から提唱するのが、地中海エリアの食文化と和食を融合した「地中海式和食」。世界的にもトップレベルのヘルシー食のいいとこ取りをした食事法で、セレクトすべき食材やレシピは無理なく取り入れられるものばかり。エキストラバージン・オリーブオイルを積極的に和食に使うアイデアは、日々の食事を新鮮なものにしてくれるだろう。

 その他にも、海外や国内の長寿食のレシピや、老いを遠ざけるための運動の必要性やストレス軽減法なども紹介している。

 腸や内臓の専門医ならではの説得力ある内容だけに、「老いない見た目になるには、お気楽に食べているだけでは無理そうだ」とつくづく感じさせられる本書。

 コツは、暴飲暴食や偏食で腸にかかる負担を減らし、内細菌のバランスとコンディションを良好にすることにある。そのために決め手となるのは、加工食品ではなく、良質な食材での手作り食。

 食選びによって、見た目も体内年齢も変わっていくなら、何を食べるかに無頓着であってはいけない。そのことを痛感しつつ、この本は数年後、10年後以降のための「老いない自分作り」に役立つはずだ。

文=星野ユリカ