スマホのリマインダーやアラーム機能に助けられた……栗原類はいかに発達障害を乗り越え、羽ばたけたのか

暮らし

2018/1/18

『マンガでわかる 発達障害の僕が羽ばたけた理由』(栗原類:著、酒井だんごむし:画 /KADOKAWA)

 自身の発達障害を改めてテレビで公表し、2016年10月に自伝的エッセイ『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』(KADOKAWA)を発表したモデル・俳優の栗原類。彼の行動は多くの反響を集め、著書は15万部を突破するほどの売れ行きとなった。それと同時に、彼のもとに寄せられたのが「イラストや短い文章だともっとよかった」という意見だ。それを受けて、2017年12月に電子書籍化されたのが『マンガでわかる 発達障害の僕が羽ばたけた理由』(栗原類:著、酒井だんごむし:画 /KADOKAWA)である。

 本作は栗原の原作をもとに、ストーリーマンガを加え、発達障害をより理解しやすくまとめた一冊。また、日常生活の中で不自由さを感じる瞬間をどのように乗り越えるのか、その実践的なアドバイスもプラスした作品になっている。

 たとえば、栗原が活用していたのは「スマホ」。注意力が散漫になりがちな彼にとって、「リマインダー」や「アラーム機能」はとても心強かったという。出演番組のアンケート〆切や観たい番組のスタート時間、母親に頼まれた買い物など、些細なことをすべてスマホ上で管理することによって、うっかり忘れてしまうというミスも減らせる。

 また、電車の乗り換え案内などのナビゲーションアプリも重要。発達障害者は先を予測して準備したり、時間配分を考えたりすることが苦手なケースが多いため、目的地までの道のりを正確に案内してくれるナビが必要不可欠なのだとか。さらに、万が一道に迷ってしまったとしても、GPS機能を使えば母親側に居場所が通知されるため、電話を介した道案内をお願いすることも可能になる。空間認知が苦手な栗原にとって、これはいまだに役立っている機能だという。

 そして本書の中でなによりも大切だと説かれているのが、周囲の人間の協力だ。栗原の場合は、母親、担当医、事務所のマネージャーと、彼のことを理解してくれる人たちが何人もいた。そのことに対して、彼は繰り返し謝意を述べている。

 さまざまなメディアで発達障害が取り上げられる機会が増え、昔に比べ、その理解は少しずつ深まってきている。しかしながら、周囲と異なる言動を繰り返す彼らを見て、奇異の目を向ける人はまだまだ少なくないだろう。

 栗原は言う。発達障害も個性のひとつだと――。その言葉の通り、ぼくらにできることは彼らを理解し、個性として受け止め、困っているときは手助けをすることではないだろうか。そのためにも、本書を手に取ることをオススメしたい。発達障害者はもちろん、そうでない者にとっても、有意義な一冊だ。

文=五十嵐 大

『マンガでわかる 発達障害の僕が羽ばたけた理由』
著:栗原類
画:酒井だんごむし
出版社:KADOKAWA