1日8000歩の早歩きで体がどんどん楽になる! 世界が認めた新型ウォーキング健康法

健康・美容

公開日:2018/1/27

『あらゆる病気は歩くだけで治る!(SB新書)』(青栁幸利/ SBクリエイティブ)

 健康のためにウォーキングをしている人は珍しくない。でも、歩くという行為がどれほど健康状態を好転させるのかを知ったら、ウォーキングに対する認識がガラッと変わるはずだ。その理由は、『あらゆる病気は歩くだけで治る!(SB新書)』(青栁幸利/ SBクリエイティブ)に、あますことなく明かされている。

 著者は、健康長寿にまつわる医療センター研究所の運動科学研究室長。身体活動と病気予防の関連性をテーマに、65歳以上の5000人を15年以上にわたって調査してきた。その成果は、世界中から「奇跡の研究」と称賛され、今やメディアや講演会でも活躍している。

 そんな著者が使命と自負するのが、病気を予防して健康長寿を叶える「中強度ウォーキング」を広めること。この新しい歩き方は、かつて1日1万歩のウォーキングが流行った時、「体を壊すのでやってはいけない」と真っ向から否定し、その代わりにと提案した健康法。実践者からは、「悩んでいた体の痛みや症状が数ヶ月で気にならなくなった」というような感謝の声が届き、全国の病院や保険組合、警視庁などでも採用されるほどなどお墨付きを得ている。

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 本書は、この「中強度ウォーキング」に気軽に取り組めるよう、理論と実践法・実践者の声・健康長寿のコツなど、特徴や効果を述べながらアドバイスしている。

 まずは、「歩き方の新常識」として、1日1万歩を盲信する歩数至上主義に喝を入れ、過度の筋トレも逆効果であると忠告する。そのうえで、研究結果から導き出した「歩き方の黄金律」を理論立てて解説。ポイントは、ウォーキングがほどほどの運動量になることであり、1日の歩数の目安は8000歩。その中で、“中強度の早歩き”を20分間は行うことを奨励し、これを「8000歩・早歩き20分」と称している。

 ここで言う“中強度の早歩き”とは、腕と脚を大きく振って踏み出し、なんとか会話できる程度の早歩きを指す。この調子で歩き続けるのは、けっこうな運動量になりそうだが、慣れたら計り知れない恩恵が待っているようだ。

 中強度の早歩きにより、第二の心臓でもあるふくらはぎが刺激され、血液循環が良くなり、症状の改善につながるという。

 実践編では、健康に大きな影響を及ぼす、1日の体温のバイオリズムの重要性について詳しく解説。著者によると、体温にメリハリのない人は健康を崩すリスクが高まるが、夕方に早歩きすると理想的な体温になり、質の良い睡眠がとれるとのこと。体温も睡眠も、歩きで良い状態へと改善できるとは、意外や意外。

 続くページでは、「8000歩・早歩き20分」を実践するにあたり、成果が着実に現れるよう、準備すべきアイテムや、日々のチェック事項がまとめられている。

 本書全体に健康アップにまつわるアドバイスが豊富に盛り込まれ、「もっと毎日歩かなくては!」と思わせられる。野外の新鮮な空気の中、世界的に評価される特別なウォーキングをする自分…。続ければ続けるほど、体にかなり良いらしい。そう考えると、じっとしている時間がもったいない気がしてくる。

 これを機に、運命の出会いとも言える特別なウォーキングに、ハマってみるのも良さそうだ。

文=星野ユリカ