星野仙一監督の死因となった膵臓がん。「マイクロDNA検査」が早期発見の切り札に!?

健康

2018/1/30

『文藝春秋オピニオン2018年の論点100』(文藝春秋)

 2018年1月4日、プロ野球の中日、阪神、楽天の元監督、星野仙一氏が膵臓がんで死去したことを、朝日新聞他のメディアが一斉に伝えた。Yahoo!ニュース 個人に掲載された「闘将・星野仙一監督が闘った膵臓がんは、こんなに怖い!」と題された記事で柳田絵美衣氏(臨床検査技師《ゲノム・病理検査》)は、膵臓がんは「最も恐ろしいがん」のひとつといわれている、と記している。その理由は、早期の段階では自覚症状がないため、症状に気づいた時はもう手遅れというケースが多いからだという。

 ところが、である。今の最先端医療では、一滴の血液を提供するだけで、膵臓がんリスクが判明するのだ。

 そんな朗報をレポートしてくれているのが『文藝春秋オピニオン2018年の論点100』(文藝春秋)に収録された、「がん診断 マイクロRNAが早期発見の切り札になる」(緑慎也著)だ。

 科学ライターで著書に山中教授との共著『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』もある緑氏は『2018年の論点100』において、マイクロRNA(DNAを複製するRNAの一部)を検査することで、いろんながんの早期発見が可能になるという、医療の明るい未来についてのアウトラインを伝えてくれている。その中でも緑氏の体験レポートが記されているのが、広島にあるバイオベンチャー「ミルテル」での膵臓がん検査の様子だ。

 そのレポートによると、検査は広島大学病院での簡単な血液採取をするだけだ。あとは自宅で待っていれば、2、3週間で検査結果が届く。緑氏の結果は陰性。つまり、膵臓がんになるリスクは今のところゼロ、というわけだ。

 じつは筆者はこの「ミルテル」での検査のことを、本サイトで以前紹介した本(//ddnavi.com/review/399724/a/)ですでに書いている。それが『不老超寿』(高城剛/講談社)だ。

 高城剛氏はこの「ミルテル」の検査で「ステージマイナス1」というべき、膵臓がんの超早期発見に成功。その後の治療で、発症前に膵臓がんを克服したことを、この本で記していたのである。

 ということで、がん撲滅の最有力候補が「マイクロDNA検査」なのだ。

 現在この新医療への取り組みは、国立がん研究センターが中心となり、国家プロジェクトとして日進月歩の展開を見せていることを、本書において緑氏はレポートしている。

 この検査が本格始動すると、胃がん、食道がん、肺がん、乳がん、子宮がん他、少なくとも13種類のがんに対して、超早期発見が可能になるという。

 がんをめぐる様々な悲劇は今後、「マイクロDNA検査」の進歩によって減っていくだろう。それでも「マイクロDNA検査」もちろん、医療の進化に甘えることなく、日々の健康管理だけはしっかりと自身で行うべきなのは、変わることのない鉄則だ。

 毎年恒例の本書には、他にも今年が旬となる様々な「論点」が、分野別に網羅されている。ぜひ、今のうちに目を通して、今年の傾向と対策を考えておくことをお勧めしたい。

文=町田光