カラダに注がれた毒でシスターは淫らに乱される……禁忌の恋を描く『シスターとヴァンパイア』スピンオフ

マンガ

公開日:2018/2/10

『催淫毒~シスターとヴァンパイア~』(暁/白泉社)

 貞淑で敬虔な乙女の象徴たるシスターが、文字どおりケダモノな吸血鬼に心もカラダも淫らにされる。「聖女と夜の獣、堕ちるのはどちらが先か」とキャッチフレーズが躍るマンガ『シスターとヴァンパイア』(暁/白泉社)。エロと純愛が錯綜する人気マンガの初スピンオフ作品『催淫毒~シスターとヴァンパイア~』の1巻がこのたび発売された。

 主人公は両親の遺した教会で働くシスター・アリシア。孤独な彼女の慰みは、幼いころに山で保護した銀色の狼だけ。怪我を手当てする間ともに暮らしたその狼が、再び戻る日を待ち続けている。そんな彼女のさみしさに、するりと入り込んだのは、あろうことか吸血鬼だった。

 突如あらわれたアルバートは、有無を言わさずその牙から身体に催淫毒を注ぎ込み、アリシアを快楽の泉へ引きずり込む。だがなぜか、血を吸おうとはしてこない。好きになってしまったとまっすぐな瞳で告げ、ただひたすら、三日三晩絶え間なくカラダを弄ぶ。甘く優しいのにベッドではドSというアルバートが魅力的なのはもちろんだが、乱されるアリシアがまたエロかわいい。敬虔で意志の強い彼女が、理性と快楽の狭間で揺さぶられ、慈愛と愉悦を交互に見せるのだから、たまらない。

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 隙あらば押し倒してくるアルバートに警戒する一方で、そばにい続けてくれる彼にアリシアは家族のような安心感を覚えはじめる。好きというのはどこまでが本心? ときどき見せる切なげな表情の理由は? 彼の過去を少しずつ知っていくことで、カラダ以上の結びつきがふたりの間には芽生えていく。関係が禁忌で、相容れない存在だからこそ、心が深く結びつかなくてはずっとは続いていかれない。アルバートの罪を知ったときに見せるアリシアのシスターとしての覚悟。自身の本分を捨ててまで彼女とともにあろうとするアルバートの想い。2人の淫らな純愛を、ぜひ本編との絡みとあわせて愉しんでほしい。

文=立花もも